最新記事
イギリス

「英語を話せ」はヘイトクライム?英警官の発言に保守派が猛反発

UK Cop Telling People 'Speak English' Could Be Hate Crime Sparks Outrage

2025年4月16日(水)11時37分
アンドリュー・スタントン
「英語オンリー」の差別的サイン

「英語オンリー」の差別的サイン Fotos593-Sutterstock

<保守系インフルエンサーも、「イングランドで『英語を話せ』と発言」して何が悪いと問題視しているが>

「『英語を話せ』という発言がヘイトクライムと受け取られる可能性がある」と警察官が市民に警告する動画が拡散し、イギリス国内の保守派を中心に怒りの声が広がっている。

イギリスをはじめとする欧州諸国では、ヘイトクライム法によって言論の自由が脅かされていると保守派は主張してきた。今年のミュンヘン安全保障会議でも、アメリカのJ・D・ヴァンス副大統領が「保守派は欧州全体で後退している」と発言し、同様の懸念を示していた。

問題の動画はTikTokで拡散されたもので、イギリス東部のウィズベックで撮影されたとみられている。動画では、警察官が男性に対し「あなたは『英語を話せ』と言ったか、それに類する言葉を使ったとされている」と言い、そういう発言は「ヘイトクライムと受け取られる可能性がある」と語っている。

男性と一緒にいた女性は、彼が難聴であったため「はっきり話してほしい」と伝えたのだと主張した。動画はそこで終了しており、それ以降のやり取りは確認できない。警察はこの件について公にはコメントしていない。

ケンブリッジシャー州警察の広報によると、現地時間の金曜午後1時ごろ、政治的キャンペーンを巡るトラブルの通報を受けて出動したが、「犯罪行為は確認されず、双方に口頭での助言を行った」という。

この動画は旧Twitter(現X)で100万回以上再生され、多くの保守派インフルエンサーが警察の対応を批判している。

Xユーザーのリズ・チャーチルはこう記す。「ディストピアそのもの。『英語を話せ』と言っただけで警察に取り調べられる時代だ」

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

香港の高層複合住宅で大規模火災、13人死亡 逃げ遅

ビジネス

中国万科の社債急落、政府が債務再編検討を指示と報道

ワールド

ウクライナ和平近いとの判断は時期尚早=ロシア大統領

ビジネス

ドル建て業務展開のユーロ圏銀行、バッファー積み増し
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 10
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中