韓国次期大統領の最右翼「李在明の正体」民主主義の破壊者?それとも庶民の救済者? 

Lee Jae-myung’s Strategic Bet

2025年4月16日(水)15時38分
スティーブン・デニー(ライデン大学准教授)

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釜山で男に襲撃され、首を負傷した李在明(2024年1月) AP/AFLO

李が党内の支持基盤を固めるに当たっては、主としてSNSを通じて情報を発信する若い女性活動家たちの貢献も大きかった。例えば「改革の娘たち」を名乗るグループで、その熱烈なキャンペーンには「地方から中央へ」という伝統的な党内秩序を覆す勢いがあった。

一方で尹の大統領就任以来、李は数々の捜査や起訴に悩まされた。個々の事案の真偽や合法性はともかく、最も重大なのは公職選挙法違反の容疑だ。昨年11月、ソウル中央地裁は21年のテレビ討論会で虚偽の主張をしたとして李に懲役1年(執行猶予2年)の判決を言い渡した。李は控訴し、今年3月26日にはソウル高裁が一審判決を覆した。ただし検察は最高裁に上告する意向を示している。


この問題に関して最終的な判断を下す最高裁が検察に味方し、李の有罪判決を確定させた場合、李は直ちに公職に立候補する資格を失い、向こう10年間は大統領になれなくなる(その前に大統領になっていれば話は別だ)。

現実的には、最高裁の判断が下るのは6月の大統領選後になる可能性が高い。李の弁護団は間違いなく時間稼ぎをするはずだ。それでも理論上は、選挙戦の途中で最高裁が結論を出し、李の立候補資格を取り消す可能性もある。これは李陣営にとって頭の痛い不確定要素だ。

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