韓国の分断は野党「共に民主党」が勝っても変わらない?【尹大統領 弾劾罷免】

Yoon Ousted in Korea

2025年4月7日(月)19時00分
ミッチ・シン(ディプロマット誌韓国特派員)

しかし、やはり同党の幹部である権性東(クォン・ソンドン)院内代表は同日、60日以内に行われる大統領選は「絶対に負けてはならない選挙」だと述べている。権自身がこの4カ月ほど、弾劾プロセスを阻止し、憲法裁に弾劾訴追を退けるよう圧力をかけてきたことの責任を取るつもりは全くないようだ。

次期大統領の最有力候補と目される共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は、この国の民主共和制を守ったとして国民に尊敬と感謝の意を表明した。また、8年間で2人の大統領が罷免された事態を国家的悲劇と呼んだ。


野党は憲法裁の決定を歓迎し、尹の行動を考えれば広く予想された判断だと述べた。だが、尹の弁護団は政治的な決定だと主張している。1月19日にソウル西部地裁が尹の逮捕状を出したときのように、支持者の暴動を懸念する声もある。

04年と17年の弾劾審判の例から、憲法裁は3月14日頃に決定を下すと予想されていた。だが決定は遅れ、与党議員は尹が大統領に復帰する可能性を示唆した。

3月24日、野党が支配する国会で憲法裁判事3人の人事を承認しなかったとして弾劾された韓悳洙(ハン・ドクス)大統領代行(首相)の訴追が棄却されたことで、国民の力は尹の件も同様に棄却されるのではないかと期待を膨らませた。

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