最新記事
トランプ関税

トランプ関税はアメリカの世帯平均所得を年60万円削りかねない――米イエール大学

Trump Tariffs Could Cost Average American Household $4,200 a Year

2025年4月3日(木)17時12分
カレダ・ラーマン
ニューヨークのホールフーズで買い物をする客

何のための関税なのか(4月1日、ニューヨーク市内のホールフーズで)Photo by Richard B. Levine

<幅広い輸入品に20%の関税を課したとすれば、アメリカの消費者物価は2.1~2.6%上昇し、可処分所得は減少し、景気後退に陥る可能性が高い>

ドナルド・トランプ米大統領が貿易相手国に20%の相互関税を課したとすれば、アメリカの平均的な世帯の追加負担は年間最大4200ドル(約62万円)にのぼる可能性がある――米イエール大学予算研究所がこのように分析した。

トランプは4月2日を「解放の日」と称し、アメリカを不公正な外国による搾取から解放すると宣言。一連の相互関税がアメリカの製造業を活性化させ、不公正な貿易慣行に対抗する力になると主張してきた。

だが一部の経済学者は、この相互関税が米経済を景気後退に突き落とし、輸入業者は関税コストの一部を値上げの形で消費者に転嫁する可能性が高いと警告している。

イエール大学予算研究所の分析によれば、幅広い品目に20%の関税が課された場合、FRB(米連邦準備理事会)が金融緩和などの対策を講じない限り消費者物価は2.1~2.6%上昇する可能性がある。これは2024年の価値にして「1世帯あたり平均3400~4200ドルの購買力減に相当する」としている。

関税は低所得世帯により大きな負担をもたらすと分析は述べる。幅広い品目に対して20%の関税が導入され、それを受けて貿易相手国がアメリカに報復関税を導入した場合、所得階層で一番下の世帯の可処分所得は5.5%減少する。これに対して一番上の高所得世帯の可処分所得の減少はわずか1.9%にとどまる見通しだという。

日本企業
スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のアップサイクル」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

不明兵捜索、時間との戦い イランの猛攻耐えた米軍救

ワールド

トランプ氏、イランに合意期限「6日」 米戦闘機乗員

ワールド

米、イランで不明の戦闘機乗員救出 トランプ氏「史上

ワールド

イラク南部の巨大油田に攻撃、3人負傷 イラン国境に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 2
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 3
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「攻撃的知能」を解剖する
  • 4
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 7
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 8
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 9
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 10
    イタリアに安定をもたらしたメローニが国民投票で敗…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 7
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 8
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 9
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 10
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中