最新記事
スターリンク

「どんなに小さく弱いパートナー国でも尊重を」ポーランド首相が米国のウクライナへの対応を批判

Poland's Prime Minister Aims Dig at Elon Musk, Rubio in Starlink Dispute

2025年3月13日(木)14時00分
エリー・クック
パートナー国、同盟国への尊重を呼び掛けたポーランドのトゥスク首相

パートナー国、同盟国への尊重を呼び掛けたポーランドのトゥスク首相 paparazzza-shutterstock

<ウクライナ軍が大きく依存するスターリンク。その継続利用につき、ポーランドがアメリカの言質を取った?>

ポーランドのドナルド・トゥスク首相は10日、スターリンクのウクライナでの継続利用の可否をめぐり、X(旧ツイッター)上でアメリカの対応を批判した。ポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相とイーロン・マスクおよびマルコ・ルビオ米国務長官との激しい応酬を受けての投稿と思われる。

【動画】スターリンクの代替サービスを提供できる欧州企業はあるのか?

スターリンクは、マスクの保有する宇宙開発企業のスペースXが運営する衛星インターネットサービスだ。数千基の低軌道衛星を利用してインターネット接続を提供している。ウクライナ軍はロシア軍との戦闘に際し、戦場での通信や無人機の運用で同サービスによるインターネット接続に依存しており、その重要性は極めて高い。


マスクは10日、Xに「スターリンクはウクライナ軍の生命線だ。もし私がこれを停止すればウクライナ軍の前線は全て崩壊するだろう。ウクライナが必然的に負けると思われる膠着状態の中で、何年間も虐殺が続いていることにうんざりしている」と、ウクライナ軍に提供しているスターリンクを遮断することを匂わせるポストを投稿。

これに対し、シコルスキは「ウクライナへのスターリンクはポーランドのデジタル化省が毎年5000万ドル(約74億円)の費用を負担している。侵略の被害者を脅迫するという倫理的問題はさておき、スペースXが信頼できないプロバイダーだと判明した場合、代替サービスを探す」と反発した。

経営
「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑むウェルビーイング経営
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国とブラジル、宇宙技術の共同研究所を建設 科学分

ワールド

米関税収入、代替手段で再現可能 最高裁が違法判断で

ワールド

国連人権事務所は「サバイバルモード」、資金大幅削減

ワールド

米、ICCに設立条約の修正要求、トランプ氏らの訴追
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 10
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中