不動産王トランプの新たな妄想「ガザのリゾート化」は実現可能か? 和平への唯一の道は「これだ」

DONALD TRUMP AND THE FUTURE OF GAZA

2025年2月12日(水)15時46分
トム・オコナー(外交担当副編集長)、エリー・クック(安全保障・防衛担当)

「ガザのパレスチナ人が21世紀最大級の犯罪行為に巻き込まれても15カ月にわたる死と破壊に耐えてきたのは、ひとえに自分たちの土地と故郷にとどまるためだ」。ハマス政治部門幹部のバセム・ナイムは本誌に寄せた声明でそう述べた。

「それ故、トランプ大統領が口にしたような提案や解決策は誰も受け入れない。たとえ復興という名の見せかけの善意にくるまれていても」


「わが人民は何十年にもわたって、強制退去や集団移住の試みを全て阻止してきた。今回のような話も拒否する」と彼は続けた。「ガザに対する封鎖が解除されるなら、わが人民は間違いなく、ガザを以前よりも立派に再建できる」

トランプが描くガザ開発の夢

トランプは2月4日、ネタニヤフとのホワイトハウス共同記者会見でさらに踏み込み、記者団にこう語った。

「アメリカがガザを引き継ぎ、開発する。何千、何万もの雇用を創出するつもりだ。そうすれば中東全体が誇りに思えるような場所になるだろう」「中東のリビエラになる」

トランプはまた、それが「パレスチナに、もしかすると中東全体に安定をもたらす」と信じているとも述べた。同席したネタニヤフもこの提案を歓迎し、「歴史を変える可能性がある。実際にやってみる価値がある」と賛辞を贈った。

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