最新記事
アイアンドーム

ロシアが本気になれば1000発以上の核弾頭が降ってくる...米国版「アイアンドーム構想」の実像とは

DONALD TRUMP’S IRON DOME?

2025年1月22日(水)19時04分
エリー・クック(安全保障・防衛担当)

newsweekjp20250122034112-01e2ed42d5145cba78285598eef29841d42e142a.jpg

アメリカ中央軍の運用するTHAADの発射台 CAPT. DUY NGUYENーDOD

まずはSM3ブロック2Aを増やすべきだと、スーファーの報告書は言う。その上でGBIも増やし、長期的には宇宙空間での迎撃を含む技術に投資し、レーザーなどを使う指向性エネルギー兵器も検討する。

イスラエルのアイアンドームは、同国の企業ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズが構築したもので、短距離ロケット弾による攻撃を想定している。

だが、そんな攻撃はアメリカにとって主たる脅威ではない。そもそも国土の面積が桁違いだし、ミサイルがどこから飛んでくるかも分からない。


トランプは昨年12月にアリゾナ州フェニックスで開いた集会で「偉大なミサイル防衛となるアイアンドーム建設を始めるよう軍に指示する。

全て米国内で、その多くはここアリゾナで製造する」と述べた。新政権の安全保障担当大統領補佐官に起用されたフロリダ州選出の共和党下院議員マイク・ウォルツも、同時期に「アメリカにもアイアンドームが必要だ」と述べている。

ただしスーファーは、包括的な防衛構想としての「米国版アイアンドーム」はもっと多層的なものにすべきだと考える。

スーファーによると、想定すべきシナリオは複数ある。まずは北朝鮮が故意または偶発的に少数のミサイルを発射する可能性だが、核兵器も通常兵器も大量に保有するロシアや中国の猛攻に備える必要もある。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米財務長官、FRBに利下げ求める

ビジネス

アングル:日銀、柔軟な政策対応の局面 米関税の不確

ビジネス

米人員削減、4月は前月比62%減 新規採用は低迷=

ビジネス

GM、通期利益予想引き下げ 関税の影響最大50億ド
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中