最新記事
トランプ2.0

トランプ就任は「ブリュッセル占領」第二弾の合図── ハンガリー首相、EUでの右派勢力拡大に意欲

2025年1月21日(火)11時13分
ハンガリーのオルバン首相

1月20日、ハンガリーのオルバン首相は記者会見で、「ブリュッセルを占領することを目的とした攻撃の第2段階を開始する」と訴え、この日のトランプ米大統領就任を契機として欧州連合(EU)での右派勢力の拡大に意欲を示した。ブダペストで撮影(2025年 ロイター/Marton Monus)

ハンガリーのオルバン首相は20日の記者会見で、「ブリュッセルを占領することを目的とした攻撃の第2段階を開始する」と訴え、この日のトランプ米大統領就任を契機として欧州連合(EU)での右派勢力の拡大に意欲を示した。EUの現体制は「左派リベラルの寡頭政治に占領されている」と批判し、EU欧州議会で「ブリュッセルのエリートに取って代わる新たな右派の多数派が誕生する可能性に近づいた」と強調した。

オルバン氏が率いる与党フィデスとEU加盟国の右派政党は欧州議会で右派会派「欧州の愛国者」を昨年結成し、86人の議員を擁する3番目の勢力となっている。オルバン氏は「ほんの数時間でブリュッセルの日差しは変わる。米国で新大統領が誕生し、ブリュッセルでは愛国者らの大派閥が熱狂している」とし、「よって偉大なる攻撃を開始することができる」と主張した。

オルバン氏はウクライナを侵攻したロシアと緊密な関係を保ち、EUの対ロシア制裁を批判している。EUについては市民の繁栄を確保できず、不法移民を阻止できず、安全保障も確保できていないため危機に陥っていると改めて批判した。

ハンガリー国立銀行(中央銀行)は昨年12月、トランプ氏がEUからの輸入品に課すとしている関税はEU加盟国のハンガリー経済を直撃し、自動車産業に大きく依存している同国のインフレ率を押し上げかねないと警告した。しかし、オルバン氏はトランプ政権下でハンガリーとの関係が「黄金時代」になると予見している。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界最高の投手
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月18日号(11月11日発売)は「世界最高の投手」特集。[保存版]日本最高の投手がMLB最高の投手に―― 全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の2025年

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


ガジェット
仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、モバイルバッテリーがビジネスパーソンに最適な理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

MAGA派グリーン議員、トランプ氏発言で危険にさら

ビジネス

テスラ、米生産で中国製部品の排除をサプライヤーに要

ビジネス

米政権文書、アリババが中国軍に技術協力と指摘=FT

ビジネス

エヌビディア決算にハイテク株の手掛かり求める展開に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 5
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 6
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中