最新記事
グリーンランド

トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくないんです

Does Donald Trump Think Greenland Is Much Bigger Than It Is?

2025年1月9日(木)12時00分
キャサリン・ファン

人々の反応

デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は火曜日、デンマークのテレビ局TV 2のインタビューで「グリーンランドの首相であるムーテ・エゲデ氏は非常に明確な立場を取っており、グリーンランドの多くの人々が、この島は売りに出されるものではなく、将来もそうであるべきではないという強い支持を表明している」と述べた。

シラキュース大学の地理学および環境学教授であるマーク・モンモニエ氏は本誌に対し、「平面地図はすべて領域を歪めており、その程度はさまざまだ。メルカトル図法では、グリーンランドは南米大陸全体と同じくらいの面積を占める。トランプ氏は、アメリカとカナダの国境が人工的な線だと主張するが、その多くは緯度に沿っており、北極と南極によって固定された自然な幾何学的特徴だ。地球や地図上の線は一見すると恣意的に見えるかもしれないが、既存の地点や地形に基づいている」と語った。

火曜日、トランプ次期大統領はTruth Socialで「ドン・ジュニアと私の代表団がグリーンランドに着陸した。歓迎は素晴らしい。彼ら、そして自由世界には安全、安心、強さ、そして平和が必要だ!この取引は必ず実現しなければならない。MAGA。グリーンランドを再び偉大に!」と投稿した。

コロラド大学のセレーズ教授は水曜日、本誌に「これを真剣に受け止める人がいるとは信じがたい。グリーンランドはデンマーク王国の一部で自治権を持っている。デンマークがグリーンランドをアメリカに『与える』つもりは全くない。力によるグリーンランドの奪取は、馬鹿げた考えだ。デンマークはNATOの一員なのだから」と語った。

ポツダム気候影響研究所の海洋物理学教授であるステファン・ラームストルフ氏は水曜日、X(旧Twitter)に「トランプ氏がメルカトル図法に騙されてグリーンランドを欲しがっているのかどうかは分からないが、この機会に科学者仲間にもっと合理的な地図投影法を使用するよう改めて訴えたい。すべての地図作成ソフトウェアで簡単に選択できるのだから」と投稿した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相が退陣表明、米関税で区切り 複数の後任候補

ワールド

石破首相が辞任表明、米大統領令「一つの区切り」 総

ワールド

インドは中国に奪われず、トランプ氏が発言修正

ワールド

26年G20サミット、トランプ氏の米ゴルフ場で開催
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給与は「最低賃金の3分の1」以下、未払いも
  • 3
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接近する「超巨大生物」の姿に恐怖と驚きの声「手を仕舞って!」
  • 4
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 5
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 6
    コスプレを生んだ日本と海外の文化相互作用
  • 7
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 8
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 9
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 10
    「日本語のクチコミは信じるな」...豪ワーホリ「悪徳…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 9
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 10
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨッ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中