最新記事
新型ドローン

数千度の熱で人間を松明にし装甲を焼き切るウクライナ新型ドローンの恐怖

Russians Bemoan Kyiv's New Thermite-Firing 'Dragon Drones': 'Headache'

2024年9月11日(水)17時18分
イザベル・バンブルーゲン

XユーザーであるOSINT Technicalは8月最終週、1機のドローンがロシア軍の陣地に、燃焼する物質を浴びせ、木々を燃え上がらせる様子とされる映像を公開した。この映像がいつ、どこで撮影されたのか、誰が最初に公開したのかはわからない。

オープン・ソース・インテリジェンス(OSINT)のアナリストであるエミール・カステヘルミはXで、「いわゆるドラゴン・ドローン」は「ドローン兵器の新展開」だ、と述べた。

「これは、FPV(一人称視点)ドローンや爆撃機とは別物だ。心理学的な観点からは、こちらのほうがむしろ恐ろしい」とカステヘルミは言う。

「テルミットは、非常に高温で燃焼する物質だ。木だけでなく、装備品や車両、防御施設にダメージを与え、兵士に重度の火傷を負わせることもある。草木が燃えて少なくなれば、標的がドローンに丸見えになる」

カステヘルミは、この兵器が「ドローンの恐怖に、新たな展開をもたらした」と付け加えた。

「想像してみてほしい。突然、空から火が降り注ぎ、止められない。水で消すこともできない。仲間は悲鳴を上げ、炎に包まれ、まるで人間のたいまつだ」とカステヘルミは言う。

戦場におけるこのドローンの効果を評価するのはまだ時期尚早だが、「効果があると証明されれば」ロシアも何らかの形でこの技術革新を採用する可能性があるとカステヘルミは付け加えた。
(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

海外映画関税はまだ最終決定前、全ての選択肢検討=ホ

ワールド

イエメンのホデイダ港に空爆、フーシ派がイスラエルと

ワールド

米、開発資金巡る改革案に反対意向=国連会議草案文書

ワールド

ドイツ保守連合・社民が連立協定に署名、メルツ氏6日
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 3
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どちらが高い地位」?...比較動画が話題に
  • 4
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 5
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 6
    背を向け逃げる男性をホッキョクグマが猛追...北極圏…
  • 7
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 8
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 4
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 5
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 6
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 7
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中