最新記事
事件

トランプ「暗殺未遂」の直前、犯人らしき人物が屋上を歩き回る姿を捉えた新たな映像を発見

Video Taken by Thomas Crooks Victim Shows New Angle of Trump Rally

2024年8月2日(金)17時49分
アナ・スキナー
トランプ銃撃事件の「新たな映像」を発見か

トーマス・マシュー・クルックス容疑者 Aaron Josefczyk-Reuters

<トランプ前大統領が演説中に銃撃された事件に巻き込まれた負傷者が撮影した映像には、現場近くで動き回る「謎の人影」が映っていた>

ドナルド・トランプ前米大統領がペンシルベニア州で演説中に銃撃された7月の事件で、負傷した聴衆の男性が撮影した映像に、事件直前に近くの建物の屋上を横切る「謎の人影」が映っていたことがわかった。この人影は、事件の容疑者のものとの見方もある。人影は屋上を動き回り、トランプが演説中の会場の様子を伺っているように見えるシーンもある。

■【動画】トランプの向こうに建つ建物の屋上から様子を伺う人影...「暗殺未遂」犯人の新たな映像を発見か

7月13日に同州バトラーで行われた集会で、共和党大統領候補のトランプが演説中、トーマス・マシュー・クルックス容疑者(20)が近くの建物の屋上から群衆に向かって複数回発砲した。そのうちの1発がトランプの右耳をかすめ、トランプは負傷。集会に参加していた元消防署長のコリー・コンペラトーレさんが銃弾を受けて死亡し、2人が負傷した。

FOXニュースが報じ、ソーシャルメディアでも話題になっているのは、事件の負傷者の1人であるジェームズ・コペンヘイバーさんが撮影したものだ。

映像はトランプをやや後方から撮影したもので、トランプ越しに建っている近くの建物の屋上を歩く人物が捉えられている。はっきりとした特徴までは確認できないが、この人物がクルックス容疑者ではないかとする見方も出ている。容疑者は、約140メートル離れた建物から22口径のライフル銃でトランプを狙撃した。

保守派団体ターニング・ポイントUSAの創設者のチャーリー・カークも7月31日、この動画をX(旧Twitter)に投稿し、「FOXニュースが入手した新たな映像には、暗殺未遂事件の様子が犠牲者の視点から映っており、犯人が銃を発射した建物の屋上を這っているのが見える」と述べた。

銃撃事件でのシークレットサービスの失態に批判高まる

この銃撃事件は、多くの陰謀論を生んでいる一方、トランプの警護を担ったシークレットサービスに対する批判も招いている。捜査官の訓練や、事件に関するキンバリー・チートル長官の調査を非難する声が政治家からも上がり、チートルは下院公聴会で証言した翌日に辞任した。

銃撃事件の捜査は続いており、シークレットサービスのロナルド・ロウ長官代行は7月30日、上院司法委員会の公聴会で証言した。公聴会にはFBIのポール・アバテ副長官も出席した。

アバテは、発砲の30秒前に警官の1人が屋上で長銃を持つクルックスを目撃していたことを認めた。しかし、ロウは「屋上の武器についての情報は、我々の隊員には伝わっていなかった」として、シークレットサービスの警護隊には銃を持った人物がいることは知らされていなかったと説明した。

クルックス容疑者の犯行動機については、明らかになっていない。

ニューズウィーク日本版 非婚化する世界
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月17日号(6月10日発売)は「非婚化する世界」特集。非婚化と少子化の波がアメリカやヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 8
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 9
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 10
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中