最新記事
トランプ銃撃事件

トランプ氏銃撃、犯行動機なお不明 警護隊は「迅速に行動」

2024年7月16日(火)07時32分
トランプ銃撃とシークレットサービス

トランプ前米大統領の銃撃事件から2日目を迎えた15日、捜査当局はいまだ容疑者の犯行動機や思想を特定できずにいる。13日撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)

トランプ前米大統領の銃撃事件から2日目を迎えた15日、捜査当局はいまだ容疑者の犯行動機や思想を特定できずにいる。

トランプ氏がペンシルベニア州バトラーで13日開かれた集会で、演説開始直後に右耳に銃撃を受けた事件について、米連邦捜査局(FBI)はこれまでに同州在住のトーマス・マシュー・クルックス(20)を容疑者として特定し、暗殺未遂事件として捜査している。

容疑者は地元の高校卒業後、介護施設で食事の補助員として勤務。ソーシャルメディアアカウントに脅迫的な言葉も見つかっていないほか、精神衛生上の問題もなかったという。州の有権者記録によると、共和党員として登録されているが、17歳の時に民主党の政治活動委員会に15ドルを寄付している。高校の同級生らは、物静かで頭が良く、政治的でなかったと話している。

13日の事件で、容疑者はシークレットサービス(大統領警護隊)に射殺された。集会に参加していた50歳の男性が死亡、2人が重傷を負った。

ホワイトハウスも15日、犯行動機や容疑者の思想、何らかの支援を得たのかは不明と発表した。事件後、バイデン大統領は定期的に報告を受けているとも明らかにした。

トランプ氏は14日、共和党全国大会が開催されるウィスコンシン州ミルウォーキーに向かう機内で、銃撃を受けたことについて「ようやく実感が湧いてきた」と述べた。

バイデン大統領は「米国にはこのような暴力やいかなる暴力も許される場所はない」とした上で、トランプ氏の警備体制見直しを指示したと明らかにした。

シークレットサービスは15日、バイデン大統領らが発表した調査に全面的に参加すると表明。トランプ氏銃撃を未然に阻止できなかったことに対する批判について、シークレットサービスのチートル長官は「事件発生中、警護隊は現場で迅速に行動した。対狙撃チームが銃撃犯を無力化したほか、トランプ氏の安全を確保するための防護措置を実施した」と擁護した。

シークレットサービスは15日午後、銃撃を未然に阻止できなかった状況を巡り、下院国土安全保障委員会で説明を行うことになっていたが、延期を要請。下院国土安全保障委の側近は、シークレットサービスが速やかに新たな日程を提示することを期待していると述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

エアバス、11月の納入数が減少 胴体パネル問題で

ワールド

台湾最大野党主席、中国版インスタの禁止措置は検閲と

ビジネス

ドイツ景気回復、来年も抑制 国際貿易が低迷=IW研

ワールド

台湾、中国の軍事活動に懸念表明 ロイター報道受け
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 7
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 8
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 9
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 10
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中