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生体臓器移植は、性犯罪者が過去を償い再出発する道となるか?

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2024年6月24日(月)14時30分
ピーター・シンガー(米プリンストン大学生命倫理学教授)

提供を受けたレシピエントは、当時2歳の肝臓癌患者の男の子だった。母親は子供4人を育てるシングルマザーで、息子に自分の葉を提供しようとしたが、医師から止められていた。今年に入ってから連絡を取った私に、彼女は息子の現在の様子を教えてくれた。「大半の4歳児と同じく、伸び伸びと生活している。ジェフが肝臓の一部を提供してくれたおかげだ」

ユーワーズの過去は知らされていたという。「2歳のわが子の命が懸かっているなら、ジェフのような人が現れたとき、ためらうはずがない。ドナーになっても過去の不正行為が消えてなくなるわけではないが、助けを必要とする人の人生を変えられるし、その人自身への見方もたぶん変わる」と、彼女は語った。

これは、ユーワーズの行為に対する適切な倫理的反応だ。彼は今、腎臓ドナーになるためのプロセスに取り組んでいる。

©Project Syndicate

newsweekjp_20240624034903.jpgピーター・シンガー
PETER SINGER
プリンストン大学教授(生命倫理学)。著書『動物の解放』(1975年)で注目を集めた。NPO団体The Life You Can Save(あなたが救える命)創設者。オーストラリア出身。

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