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激化するミャンマー内戦の調停にタイのタクシン元首相が名乗り?

A Mediating Comeback

2024年5月13日(月)16時12分
セバスチャン・ストランジオ(ディプロマット誌東南アジア担当エディター)

ただ、別の専門家は経済界出身のタクシンの対ミャンマー姿勢は、彼の外交政策全般と同様に「ビジネス志向」だったと指摘。「人権や民主主義よりも軍事政権との良好な関係を優先していた」という。

タクシンが今回も同じアプローチを取るかは不明だ。ただ、彼の影響力と政府への近さを考えれば、タイと内戦当事者との非公式協議のパイプ役にはうってつけだろう。

またタクシンは政府の役職に就いていないため、ASEANの内政不干渉原則に縛られない。このことがタイなどASEAN各国政府が消極的なNUGや武装勢力との会談に今回、結び付いたと言える。

とはいえ、戦闘が激化するなか、交渉による解決の可能性は依然として非常に低い。双方が話し合いに応じる時が来るまで交渉の窓口を開いたままにしておく以外、当面はできることがなさそうだ。

From thediplomat.com

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