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大谷の真実

大谷翔平騒動で注目、「無法地帯」化した米スポーツ賭博市場の現況...若者を中毒にさせる「インゲーム・ベット」とは何か?

THE NEW WILD WEST

2024年4月1日(月)18時00分
メーガン・ガン(ライター)

スポーツ賭博を行う若年層の約9割は、進行中の試合が対象の「インゲーム・ベット」をしている。これは衝動的浪費のリスクが最も大きい。「興奮状態で、友人と一緒だったり飲酒していたりするかもしれない。抑制が利かなくなり、判断力が鈍りかねない」と、ナウワーは言う。

スポーツ賭博に関するルールは各州に一任されているため、全国的な監視体制は存在しない。スポーツ賭博の広告も同様で、セレブを起用した広告があふれている。ある推定によれば、アメリカでのスポーツ賭博の総広告費は今年、29億ドルに達する見込みだ。「たばこや酒類と同じく、ギャンブルの広告は連邦レベルで規制すべきだ」と、ナウワーは語る。

米下院では1月、活動団体の支持を受けて、ギャンブル依存症回復・投資・治療(GRIT)法案が提出された。スポーツ関連の連邦消費税収入の50%をギャンブル依存症の予防や治療、研究に振り向けることなどを義務付ける内容だ。

だがテクノロジーを追い風にしたスポーツ賭博の加速度は、法制化の動きをはるかに上回るようだ。「パンドラの箱が開いてしまった」と、オクラホマ州立大学のホールデンは嘆く。「元に戻すのは極めて難しい」

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