最新記事
2024米大統領戦

バイデンがトランプ陣営から学ぶべきこれだけのこと

How to Beat Trump

2024年1月31日(水)13時10分
デービッド・ファリス(米ルーズベルト大学政治学部准教授)
計91件の罪状で起訴されていても、大統領候補になりそうなトランプ MIKE SEGARーREUTERS

計91件の罪状で起訴されていても、大統領候補になりそうなトランプ MIKE SEGARーREUTERS

<予備選で圧勝する前大統領、2期目を防ぐため、民主党はなりふり構わずトランプの「悪」を暴け>

アメリカでは今秋の大統領選に向けて、民主・共和両党の指名候補を決めるための予備選が始まっている。

共和党では、ドナルド・トランプ前大統領が、選挙戦のカギを握ると言われるアイオワ州での圧勝に続きニューハンプシャー州でも勝利し、対立候補のニッキー・ヘイリー元国連大使が指名を勝ち取るのはかなり厳しくなってきた。

トランプが再び大統領になる可能性など、想像するのも難しい驚愕すべき事態だが、民主党はショックを受けている場合ではない。11月の本選でトランプを負かす戦略づくりに本腰を入れる必要がある。

なにしろ複数の世論調査によれば、再選を目指す民主党のジョー・バイデン大統領は、苦戦どころか、激戦州における支持率でことごとくトランプを下回っている。

この流れを覆すために、バイデン陣営は、2016年大統領選の直後から盛り上がった「レジスタンス(抵抗運動)」の精神を復活させるとともに、トランプと暴力的な過激派との結び付きを明確に示し、トランプが再選されれば何が起きるかを、有権者に具体的に示す必要がある。もちろん、バイデンが再選されたら民主党は何をするつもりなのかについて、一貫したビジョンを示すことも重要だ。

16年の大統領選でトランプが勝利してから、2年後の中間選挙(特に連邦下院)で民主党が多数派を奪還するまで、民主党は過去に例がないくらい一丸となって戦った。

ソーシャルメディアには「レジスタンス」という言葉があふれ、それまでは選挙のとき以外は政治的な活動には一切関わってこなかった一般の民主党支持者たちまでが、党を挙げての「打倒トランプ」キャンペーンに加わった。

トランプが大統領就任早々に打ち出した政策は、この運動を盛り上げた。17年1月のムスリム禁止令(イスラム教徒の入国を制限する大統領令)、自分の思いどおりに動かないジェームズ・コミーFBI長官の更迭、オバマケア(医療保険制度改革)を廃止に追い込む試み、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記との稚拙な核外交など、いちいち大きな議論を巻き起こす政策ばかりだった。

民主党があの頃の闘志と結束を取り戻すのは難しいかもしれないが、不可能ではない。そのためには、無党派層に近い有権者や、初めて大統領選に投票する若い有権者を取り込む戦略が必要だ。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、防衛企業の「配当認めない」 武器生産加

ワールド

機関投資家の一戸建て住宅購入禁止へ、トランプ氏が表

ビジネス

JPモルガン資産運用部門が議決権行使助言会社利用打

ワールド

ベネズエラ、原油売却益で米国製品購入へ=トランプ氏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 5
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 6
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 7
    日本も他人事じゃない? デジタル先進国デンマークが…
  • 8
    公開されたエプスタイン疑惑の写真に「元大統領」が…
  • 9
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 10
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 10
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中