最新記事
ミャンマー

「死ぬも地獄、生きるも地獄」海上で命を落とす、ロヒンギャ難民急増の悲惨

2024年1月29日(月)14時15分
セバスチャン・ストランジオ(ディプロマット誌東南アジア担当エディター)
避難民

昨年は4500人が脱出を試みた(インドネシア) RISKA MUNAWARAHーREUTERS

<海路で脱出を試みるイスラム系少数民族ロヒンギャの犠牲が急増。なぜ海を渡るのか?>

ミャンマーで迫害を受け、避難先のバングラデシュでも過酷な生活を強いられているイスラム系少数民族ロヒンギャが、海路でインドネシアなどへの脱出を試みるケースが増え続けている。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が1月23日に発表した報告書によれば、昨年、ボートで周辺国を目指したロヒンギャは約4500人。

だが、その8分の1に当たる569人が海上で死亡または行方不明になったという。これは前年より200人ほど多く、2014年以来最多の数字。UNHCRは周辺国の海上警備当局に、難民の救援・保護などの対策を早急に講じるよう求めている。

もっとも、これほど多くのロヒンギャが危険を冒すのは、彼らが難民キャンプでの生活に絶望しているためだ。

国際社会からの支援が細るなか、現地では治安の悪化や劣悪な衛生環境などの問題が山積。迫害の恐れから、ミャンマー帰還の見通しも立っていない。

From thediplomat.com

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ファイアウオール規制、引き続き緩和求める=福留全銀

ビジネス

焦点:米軟着陸期待は健在、インフレ鈍化で米株に投資

ワールド

ロシア、戦術核演習でミサイルの電子発射訓練を実施

ワールド

ガザ停戦案への要求、重要な修正含まず ハマス幹部表
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:姿なき侵略者 中国
特集:姿なき侵略者 中国
2024年6月18日号(6/11発売)

アメリカの「裏庭」カリブ海のリゾート地やニューヨークで影響力工作を拡大する中国の深謀遠慮

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車の猛攻で、ロシア兵が装甲車から「転げ落ちる」瞬間

  • 2

    毎日1分間「体幹をしぼるだけ」で、脂肪を燃やして「勝手にやせていく体」をつくる方法

  • 3

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思っていた...」55歳退官で年収750万円が200万円に激減の現実

  • 4

    長距離ドローンがロシア奥深くに「退避」していたSU-…

  • 5

    謎のステルス増税「森林税」がやっぱり道理に合わな…

  • 6

    【衛星画像】北朝鮮が非武装地帯沿いの森林を切り開…

  • 7

    バイデン放蕩息子の「ウクライナ」「麻薬」「脱税」…

  • 8

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が妊娠発表後、初めて公の場…

  • 9

    たった1日10分の筋トレが人生を変える...大人になっ…

  • 10

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっ…

  • 1

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思っていた...」55歳退官で年収750万円が200万円に激減の現実

  • 2

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...? 史上最強の抗酸化物質を多く含むあの魚

  • 3

    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車の猛攻で、ロシア兵が装甲車から「転げ落ちる」瞬間

  • 4

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 5

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らか…

  • 6

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 7

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっ…

  • 8

    「クマvsワニ」を川で激撮...衝撃の対決シーンも一瞬…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が妊娠発表後、初めて公の場…

  • 10

    毎日1分間「体幹をしぼるだけ」で、脂肪を燃やして「…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 4

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 10

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中