最新記事
ウクライナ情勢

「人の臓器を揚げて食らう」人肉食受刑者らによる最凶部隊「ストームZ」10万人を送り出すプーチンと「生還後の悲惨」

Putin's Suicide Squad

2023年12月19日(火)14時00分
イザベル・バンブルーゲン(本誌記者)

この1年間、受刑者がロシア軍の「人海戦術」に投入される兵士の主な供給源となってきたのは事実だ。運よく生き延びて生還した者は恩赦を受け、社会復帰を果たすが、彼らの再犯率は高いとメルビンは言う。「なにしろ前線でのトラウマや心理的なストレスはひどい」からだ。

スターリン時代には「主に政治犯と弾圧された人々が刑務所にいて」、そういう人が戦場に駆り出された。囚人を前線に送り出した刑務所は空っぽになったという。

「ロシア軍は人命の損失など気にせずに戦う。戦場に大量の兵士を送り込み、壊滅したら新たな部隊を投入する。それなりに人口が多いから、命の値段は軽くなる」とメルビンは付け加えた。

「そういう戦術だから、ロシアの指導者たちは受刑者を、大きな政治的リスクなしで利用できる資源と見なしている」

ちなみにウクライナ軍は、刑務所にいる犯罪者を入隊させることを認めていない。しかし「プーチン政権は、誰がカラシニコフ銃を手にし、誰が塹壕に籠もっていようと気にしない」。ウクライナ軍の元兵士でジャーナリストのビクトル・コバレンコは本誌にそう語った。

「これは優れてロシア的な戦い方で、スターリン時代の第2次大戦以来の伝統だ。プーチン政権は多くの点で、残忍で無慈悲なスターリン政権と似ている」ともコバレンコは言った。

「大規模な動員令でロシア社会に動揺が走るのを防ぐため、プーチンは犯罪者を兵士に仕立てている」

だが戦場を生き延びて自由の身となった凶悪犯が街に戻ったとき、その代償を払わされるのは一般の国民だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米関税率は従来水準へ、一部15%超 中国は現状維持

ワールド

サウジ、緊急対応で原油生産増を計画 米のイラン攻撃

ワールド

ロシア、キューバへの燃料支援の可能性協議─副首相=

ワールド

25年の報道関係者殺害129人、過去最多 ガザでの
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 2
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された「恐怖の瞬間」映像が話題に
  • 3
    最高裁はなぜ「今回は」止めた?...トランプ関税を違憲とした「単純な理由」
  • 4
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 5
    2月末に西の空で起こる珍しい天体現象とは? 「チャ…
  • 6
    【クイズ】サメによる襲撃事件が最も多い国はどこ?
  • 7
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 8
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 9
    「バカにされてる」五輪・選手村で提供の「アメリカ…
  • 10
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 10
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中