最新記事
イスラエル

額にケチャップで血を演出...苦しむガザ住民を「ネタ」にするイスラエルのインフルエンサーたち

2023年11月2日(木)11時05分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
イスラエル軍の空爆で破壊された建物とパレスチナ人女性

イスラエル軍の空爆で破壊された建物とパレスチナ人女性(10月8日、ガザ) REUTERS/Ibraheem Abu Mustafa TPX IMAGES OF THE DAY

<イスラエルのインフルエンサーによるガザ住民の窮状をあざ笑う動画投稿が相次いでいる>

イスラエルのインフルエンサーたちが、ライフラインを寸断され空爆におびえるガザ地区のパレスチナ人をネタにした動画をソーシャルメディアに投稿し、批判を集めている。

【動画】水や電気を無目的に使って見せびらかし、ケチャップで血を演出...ガザ住民をあざ笑うイスラエルのインフルエンサーたち

パレスチナの武装組織ハマスとイスラム聖戦による奇襲を受けたイスラエルは10月7日以来、報復として昼夜問わずガザ地区を空爆し続け、ここ数日は地上攻撃を拡大させつつある。AP通信がイスラエル軍とガザ当局の発表をもとに報じたところによると、31日時点での犠牲者数はイスラエル側で1400人以上、ガザ地区では8000人以上に上るという。

住民の約半数が避難を命じられて家を追われた上に、水や食料、燃料、医療物資の供給も止められたことでガザ地区の人道状況は著しく悪化している。支援物資の搬入は再開したが、十分な量とは到底言い難い。

断水や停電に苦しむガザ住民をあざ笑う投稿の数々

そんななか、一部のイスラエルのインフルエンサーがパレスチナ人に扮し、窮状をあざ笑う投稿が問題になっている。

ユダヤ人ラジオパーソナリティで映像作家のラファエル・シムノフ(@rafaelshimunov)がXで紹介した動画には、クーフィーヤをまとい疲弊した表情の女性が映っている。

顔のところどころを赤く塗り、手元には毛布でくるんだ"赤ちゃん"(グレープフルーツのような果物にペンで目と口を描いたもの)の姿も。空爆におびえるパレスチナ人の母親を演じていた女性だったが、「カット」の声が入るとすぐさまカメラに向き直り、薄ら笑いを浮かべたまま無関心にフルーツを放り投げて見せた。

この女性はイスラエルのメイクアップアーティストで、動画はそれからメイクシーンに移行。ケチャップを顔に付けて血を演出していたことが明らかになる。さらに歯をランダムに黒く塗りつぶし、仕上げに白い粉を顔や衣装にまぶすありさま。

パレスチナ人が被害状況を大袈裟に見せているとする女性のこの発信に対し、多くのネットユーザーが「どうかしてる」「あまりに無神経」「胸が張り裂けそう」といったコメントを寄せて怒りをあらわにした。

批判を受けてか、元動画を投稿したインスラグラムのアカウント(@eve_cohen.sfx)はすでに削除されている。

対談
為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 セカンドキャリアの前に「考えるべき」こととは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、カタールに代表団派遣へ ハマスの停戦条

ワールド

EU産ブランデー関税、34社が回避へ 友好的協議で

ワールド

赤沢再生相、ラトニック米商務長官と3日と5日に電話

ワールド

マスク氏、「アメリカ党」結成と投稿 自由取り戻すと
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚人コーチ」が説く、正しい筋肉の鍛え方とは?【スクワット編】
  • 4
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 5
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 8
    「詐欺だ」「環境への配慮に欠ける」メーガン妃ブラ…
  • 9
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 10
    反省の色なし...ライブ中に女性客が乱入、演奏中止に…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 8
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 9
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中