最新記事
ロシア

毒を盛られたとの憶測も...プーチンの「忠実なしもべ」に何が? 公開された「新動画」で議論が再燃

Ramzan Kadyrov Appears in Hospital Video Amid Health Speculation

2023年9月23日(土)12時35分
イザベル・ファン・ブリューゲン
ロシアのプーチン大統領とチェチェン共和国のカディロフ首長

ロシアのプーチン首相(当時)とチェチェン共和国のカディロフ首長(2011年12月) Alexei Nikolsky/RIA Novosti/Pool-REUTERS

<チェチェン共和国のカディロフ首長の健康状態をめぐり、ウクライナ側からの情報も含めてさまざまな憶測が飛び交っている>

ウクライナを相手に苦戦が続くロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、またもや重要な「盟友」を失ってしまったのか......。ここ最近、チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長の健康状態をめぐって、「死亡説」を含むさまざまな憶測が飛び交っている。そうしたなか、カディロフのテレグラムチャンネルには、病院で撮影されたと見られる彼の動画が投稿されて議論を呼んでいる。

■【動画】「健在」をアピールするも、真偽について議論は二分...公開されたカディロフの新たな動画

カディロフは、プーチンの「盟友」または「忠実なしもべ」などと呼ばれることの多い人物だが、最近は重病説や死亡説まで囁かれている。今回、こうした動画を公開したのには、それらの噂を払拭する狙いがあったとみられる。

カディロフの健康状態については先週、ウクライナ国防省情報総局のアンドレイ・ユソフ報道官が、全身性の健康問題によりかなり前から体調を崩していると発言したことから、さまざまな憶測が浮上していた。ユソフは9月15日にウクライナの国営通信社「ウクルインフォルム」に対して、カディロフが「数日前から重体」だと述べていた。

今回カディロフのテレグラムチャンネルに投稿された内容によれば、彼は生きていて体調にも問題はないという。動画の場面は、モスクワの大統領府中央病院で治療を受けている、叔父のハースマゴメド・カディロフを見舞ったときのものだとしている。

動画には、カディロフが病室で叔父の隣に座っている様子が映っている。さらに医師とみられる男性の姿もあり、この人物はハースマゴメド・カディロフが2週間前から入院していると説明し、「今日は9月20日だ」とも述べている。

「誰が嘘をついているかが分かった」

ただカディロフは動画の中で、自身の健康状態をめぐる憶測については語っておらず、動画に添えられた文章の中で言及されているだけだ。また動画は、カディロフを近距離から撮影してはいない。

本誌はこの動画がいつ、どこで撮影されたものか裏付けを取ることができなかった。本誌はこの件についてロシア外務省にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

カディロフのテレグラムチャンネルに投稿された文章は、次のようなものだった。「私の健康状態をめぐる噂についてコメントしよう。全能の神のおかげで、私は元気に過ごしている。それに、もしも私が病気だったとしても、大騒ぎするようなことだろうか。だが今回の一件ではいいこともあった。どのメディアやどの人物が、読者に向けて図々しく嘘をついているのかが分かったということだ」

企業経営
ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パートナーコ創設者が見出した「真の成功」の法則
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米中が閣僚級電話会談、貿易戦争緩和への取り組み協議

ワールド

米、台湾・南シナ海での衝突回避に同盟国に負担増要請

ビジネス

モルガンSも米利下げ予想、12月に0.25% 据え

ワールド

トランプ氏に「FIFA平和賞」、W杯抽選会で発表
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 2
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い国」はどこ?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 5
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 6
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 7
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 8
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 1
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 2
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中