最新記事
アメリカ

極太ニシキヘビの巣に111個の卵...写真にネット驚愕...「記録的な数」との見解も

'Record-Breaking' Invasive Python Nest With 111 Eggs Found in Florida

2023年8月11日(金)10時30分
アリス・ギブス
ビルマニシキヘビ

(写真はイメージです) dwi putra stock-Shutterstock

<巣には4.2メートル級の雌ニシキヘビの姿が>

米国フロリダ州の湿地帯エバーグレーズで、「記録的な」外来ニシキヘビの巣が見つかり、撤去された。フロリダ州魚類野生生物保存委員会(FWC)は7月、111個の卵が産みつけられたビルマニシキヘビの巣が、請負業者によって撤去されたことを報告。同委員会は、「記録的な外来ニシキヘビの巣」と表現している。

【画像】極太ニシキヘビの巣に111個の卵...写真にネット驚愕...「記録的な数」との見解も

FWC生息地生物種保存部門のリサ・トンプソンは本誌の取材に対し、「FWCニシキヘビ対策チーム、外来ニシキヘビ駆除係の請負業者であるブランドン・ラーエが、ニシキヘビと巣を取り除いた」と説明している。

「111個の卵が産み付けられた巣に、ニシキヘビがいた。卵の数は膨大。フロリダ州では記録的なニシキヘビの巣が撤去されたことになる。ニシキヘビは雌で、体長は4.2メートルほどだった」

エバーグレーズのユニークな自然生態系は、北のオキーチョビー湖から、南のフロリダ湾、メキシコ湾まで広がっている。ユネスコの世界遺産に登録されており、アライグマ、オポッサム、ウサギ、シカ、鳥、ワニ、カメ、トカゲといった野生生物の宝庫でもある。しかし、在来の野生生物や生態系の多くが、外来種であるビルマニシキヘビの存在によって悪影響を受けている。

ビルマニシキヘビは東南アジア原産だが、ペットの飼育放棄や脱走の結果、この地域に入り込んだ。エバーグレーズで、初めてビルマニシキヘビが目撃されたのは1980年代のことだ。当初、目撃は散発的だったが、増加の一途をたどり、個体群として定着した。そして、在来の野生生物に対する問題が増加した。

ビルマニシキヘビは、ヒメヌマチウサギやオポッサム、シカなどのほか、水鳥などの鳥類を捕食する。地面に巣をつくる鳥はしばしば、卵やひなを餌として盗まれる。ほかの爬虫類や在来の両生類も、危険にさらされている。ビルマニシキヘビがこの地域でアメリカアリゲーター、カメ、トカゲを捕食する姿が確認されている。カエルやヒキガエルの個体群も影響を受けている。

7月中旬には、フロリダ州の学生がビッグサイプレス国立保護区で、体長約5.8メートルのニシキヘビに巻き付かれ、格闘する姿を撮影されている。7月はじめにも、60個以上の卵を抱える体長約4.9メートルのニシキヘビが、別の業者によって捕獲されている。

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 コメ高騰の真犯人
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月24日号(6月17日発売)は「コメ高騰の真犯人」特集。なぜコメの価格は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日米関税交渉は延長戦、「認識なお一致せず」と石破首

ワールド

トランプ氏、イランとの核合意なお目指している=国防

ワールド

米財務長官との為替協議、具体的日程「決まっていない

ワールド

原油先物は上昇、イラン・イスラエル紛争で供給巡る懸
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 3
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染みだが、彼らは代わりにどの絵文字を使っている?
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 7
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 8
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 9
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 10
    「そっと触れただけなのに...」客席乗務員から「辱め…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中