最新記事

放送事故

土砂降りの韓国ソウルで天気中継する女性記者を襲った想定外の出来事とは......

2023年7月6日(木)21時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
ソウル・光化門広場から天気の中継を行っていた記者

大雨のソウル・光化門広場から生中継を行っていた記者を待っていた想定外の出来事とは......  채널A 뉴스 / YouTube

<大雨に濡れながら中継をしていた記者を待っていたのは......>

日本同様、梅雨に突入した韓国。特に今年は大雨が続いており、4日夕方もソウル首都圏地方はところによって1時間に70mmというゲリラ豪雨に見舞われるという予報が出され、大雨警報が発令されていた。そんな土砂降りの雨の中、天気中継を行っていた女性記者に想定外の出来事が発生した。デジタルタイムズ、東亜日報など韓国メディアが報じた。

 
 
 
 

傘もささずびしょ濡れの女性記者に突然......

4日夕方、韓国のケーブル局チャンネルAは、おりからの大雨について伝えるためニュース番組でソウル中心部にある光化門広場からの中継を行った。

中継担当のパク・コンヨン記者は土砂降りのなか、傘やレインコートのフードもささず、びしょ濡れの状態でスタンバイしていた。スタジオのアンカーは「先ほど午後6時からソウルと京畿地域に豪雨注意報が出ました。夜の間に危険なほどの集中豪雨が予報されたそうです。どこに降るのか、光化門広場にいるパク·コンヨン記者につないでみます。 すでに雨がたくさん降っていますが、今夜どれくらい降りますか?」と呼びかけた。

「はい、私は1時間前からここ光化門広場に来ていますが、今は目が開けられないほど強い雨が降っています。夜からは雨がもっと激しくなる見込みなので、皆さん早く帰ったほうがいいですね」

こう話すパク記者の横から突然男が近づいてきた。暴漢? そう思う間もなく、男は手にした傘でパク記者を雨から防ぐようにした。

この男はパク記者が濡れないように傘をうまくかけられたことを確認した後、振り返って反対側の遠くに視線を移した。そしてパク記者が中継をしている間、笑みを浮かべつつ、直立不動の姿勢で傘をさし続けた。

男に気づいたパク記者も笑みをたたえたまま言葉を続けていき、ミスなく中継を終えた。

「雨は明日の午前中に止む見込みです。雷や突風も伴う可能性があり、河岸や地下車道に孤立しないように一段の注意が必要です。これまで光化門広場からお伝えしました」

中継終了後、男は姿を消した

通常、ニュース番組の中継では、予定になかった一般の人が画面に入った場合、近くにいるスタッフたちが制止する。今回は放送事故にも繋がりかねない事態だったが、どうしてこのような珍事が発生したのだろうか。

パク記者は「男性が善意でやっていたことが分かったので、制止しませんでした」と経緯を説明した。

「本当に目を開けられないほど激しく雨が降っていましたが、突然市民の方が傘を差してくださって最初は慌てました。でも、傘を差してくださったお陰で雨に濡れずに放送を行うことができました」

ちなみに、この男性とは放送終了後にどういう会話を交わしたのだろうか?

パク記者は「その方はすぐにその場を立ち去ってしまい、感謝の言葉もちゃんと伝えることができませんでした。これまで長い間、社会部記者をしてきましたが、雨の日、市民の方が傘を差してくださったのは初めてです。本当に感謝しております。おかげで風邪も引かず放送を無事終えることができました。あらためて感謝の気持ちをお伝えします」と語っている。

三菱UFJフィナンシャル・グループ
幅広いニーズに応える新NISAの活用提案──MUFGが果たす社会的使命
今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

来年開催のCOP29ホスト国、アゼルバイジャンで事

ビジネス

テスラは労働者の権利尊重を、ノルウェー年金基金が批

ビジネス

米シグナがヒューマナ買収を断念、価格で折り合えず=

ワールド

米、新たに中国3社からの輸入禁止 ウイグル族人権侵
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イスラエルの過信
特集:イスラエルの過信
2023年12月12日号(12/ 5発売)

ハイテク兵器が「ローテク」ハマスには無力だった ── その事実がアメリカと西側に突き付ける教訓

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「未来の王妃」キャサリン妃が着用を許された、6本のネックレスとは?

  • 2

    ショッピングモールのデザインが「かつての監獄」と同じ理由

  • 3

    「ホロコースト」の過去を持つドイツで、いま再び「反ユダヤ」感情が上昇か...事件発生数が急増

  • 4

    下半身が「丸見え」...これで合ってるの? セレブ花…

  • 5

    中身が「透けすぎ」...米セレブ、派手なドレス姿で雑…

  • 6

    大統領夫人すら霞ませてしまう、オランダ・マキシマ…

  • 7

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 8

    英ニュースキャスター、「絶対に映ってはいけない」…

  • 9

    キャサリン妃の「ジュエリー使い」を専門家が批判...…

  • 10

    完全コピーされた、キャサリン妃の「かなり挑発的な…

  • 1

    「未来の王妃」キャサリン妃が着用を許された、6本のネックレスとは?

  • 2

    シェア伸ばすJT、新デバイス「Ploom X ADVANCED」発売で加熱式たばこ三国志にさらなる変化が!?

  • 3

    下半身ほとんど「丸出し」でダンス...米歌手の「不謹慎すぎる」ビデオ撮影に教会を提供した司祭がクビに

  • 4

    反プーチンのロシア人義勇軍が、アウディーイウカで…

  • 5

    下半身が「丸見え」...これで合ってるの? セレブ花…

  • 6

    周庭(アグネス・チョウ)の無事を喜ぶ資格など私た…

  • 7

    「傑作」「曲もいい」素っ裸でごみ収集する『ラ・ラ…

  • 8

    英ニュースキャスター、「絶対に映ってはいけない」…

  • 9

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 10

    ロシアはウクライナ侵攻で旅客機76機を失った──「不…

  • 1

    <動画>裸の男が何人も...戦闘拒否して脱がされ、「穴」に放り込まれたロシア兵たち

  • 2

    <動画>ウクライナ軍がHIMARSでロシアの多連装ロケットシステムを爆砕する瞬間

  • 3

    <動画>ロシア攻撃ヘリKa-52が自軍装甲車MT-LBを破壊する瞬間

  • 4

    ロシアはウクライナ侵攻で旅客機76機を失った──「不…

  • 5

    ここまで効果的...ロシアが誇る黒海艦隊の揚陸艦を撃…

  • 6

    最新の「四角い潜水艦」で中国がインド太平洋の覇者…

  • 7

    またやられてる!ロシアの見かけ倒し主力戦車T-90Mの…

  • 8

    レカネマブのお世話になる前に──アルツハイマー病を…

  • 9

    完全コピーされた、キャサリン妃の「かなり挑発的な…

  • 10

    「超兵器」ウクライナ自爆ドローンを相手に、「シャ…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中