最新記事

韓国社会

ソウル、悪化する住宅事情 半地下よりひどい「半部屋」マンション

2022年12月21日(水)11時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
地下駐車場の横にあるドア

地下駐車場の横にある倉庫のようなドアを開くとその中は…… JTBC News / YouTube

<映画『パラサイト 半地下の家族』で描かれた過酷なソウルの住宅事情はさらに悪化した?>

文在寅(ムン・ジェイン)前政権下で高騰を続けた韓国ソウルの住宅価格。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権に変わって、マンションなどは下落傾向へと反転したものの、若い世代にとってはソウルで住宅を購入するのは夢のまた夢であることに変わりはない。こうしたなかで、ひとり暮らしの若者などを対象にした劣悪なワンルームの物件が問題となっている。韓国JTBCが報じた。

建築届けの3倍の部屋がある建物

韓国では高層マンションをアパート、5階以下の低層の共同住宅をヴィラあるいはマンションと呼ぶ。アパートは間取りが3LDK以上で平均100平米と広いうえ管理人がいて共益費もかかるが快適に生活ができる。一方のヴィラは管理人がおらず、エレベーターがないなど共用設備が整備されておらず、その分低価格で住むことができる。

ソウルなどの大都市、事務所と住居の両方で利用が可能なオフィステルとよばれる小型のマンションや、日本同様にひとり暮らしの人向けのワンルームも普及している。

ソウル・鷺梁津(ノリャンジン)の低層ワンルームマンションが立ち並ぶエリア。そのなかのとある建物に入るとアリの巣のように狭く曲がりくねった廊下が見える。両側にはたくさんのドアが並んでいる。部屋のドアを開いたら、別の廊下と部屋が現れる巨大迷路のような構造になっている。

建築物台帳に記載されたこの建物全体の部屋数は5戸、しかし、実際に建物の中で確認すると15戸があった。一つの部屋を違法改造して分割しているのだ。

不動産業者のA氏は「できるだけ小さくして、一つでも貸す部屋を増やそうとしたのでしょう」と語る。

その近くにある別のワンルームマンションは、外から見るとごく一般的なヴィラなのに中に入るとまったく違う姿を見せる。鉄製のドアが並んでいる様子は、まるで刑務所の独房のような雰囲気だ。

この建物も建築物台帳には2階と3階にそれぞれ5戸が登録されているが、実際はどうかというと......。
「2階に11戸ありますよ。3階も11戸か12戸が入ってます」(前述の不動産業者A氏)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=急反落、ダウ768ドル安 FRBは金

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、FOMC据え置き受け下落分

ビジネス

パウエル氏、後任承認までFRB議長代行へ 捜査が解

ビジネス

イスラエル、イラン情報相を排除 国防相「高官標的に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 4
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 5
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 8
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 10
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中