最新記事

核・ミサイル開発

北朝鮮が短距離弾道ミサイル2発、1発は変則軌道 12日間で6回目

2022年10月6日(木)10時22分
北朝鮮の国旗

韓国軍合同参謀本部は6日朝、北朝鮮が平壌周辺から2発の短距離弾道ミサイルを東岸沖へ発射したと発表した。北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは、ここ12日間で6回目。写真は北朝鮮の国旗。非武装地帯(DMZ)の韓国側から7月代表撮影(2022年 ロイター)

韓国軍合同参謀本部は6日朝、北朝鮮が平壌周辺から2発の短距離弾道ミサイルを東岸沖へ発射したと発表した。北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのはここ12日間で6回目。国連安全保障理事会が緊急会合を開いたばかりだった。北朝鮮が異例の頻度で試射を繰り返す中、米軍は空母を再び日本海(韓国名:東海)に展開することを決めた。

北朝鮮は午前6時台に相次ぎミサイルを発射。日本の防衛省によると、1発目は最高高度約100キロ、飛翔距離約350キロ。2発目はそれぞれ約50キロ、約800キロだった。2発目は変則軌道で飛翔した可能性があり、1発目については分析中という。いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。

岸田文雄首相は官邸で記者団に対し、「9月末から6回目の発射であり断じて容認できない」と語った。日本政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。防衛省で会見した浜田靖一防衛相は、警戒監視を続けるとした上で「反撃能力も含めあらゆる選択肢を排除せず検討し、防衛力の抜本的な強化に取り組む」と述べた。

米韓が大規模な軍事合同演習を5年ぶりに実施し、ハリス米副大統領が訪韓する中、北朝鮮はミサイルの試射を繰り返している。直近では4日、5年ぶりに日本上空を通過するミサイルを発射した。中距離弾道ミサイル(IRBM)とみられており、日本政府は過去最長の飛翔距離だったと分析している。

韓国軍によると、米軍は空母ロナルド・レーガンを再び日本海に配置することにした。

国連安保理は5日、日本を飛び越えた4日のミサイルについて緊急会合を開催。トーマスグリーンフィールド米国連大使は、中国とロシアが安保理による制裁強化から北朝鮮を守っていると非難した。

北朝鮮の外務省は6日のミサイル発射の約1時間前に出した声明で、米国が安保理で米韓合同演習に対する北朝鮮の反発について協議を持ちかけたことを非難。日本海への米軍空母の再配置は朝鮮半島情勢に深刻な脅威をもたらしていると警告した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

サハリン2のLNG調達は代替可能、JERAなどの幹

ビジネス

中国製造業PMI、10月は50.6に低下 予想も下

ビジネス

日産と英モノリス、新車開発加速へ提携延長 AI活用

ワールド

ハマス、新たに人質3人の遺体引き渡す 不安定なガザ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中