最新記事

トランプ

トランプは機密情報を使って「アメリカを人質に」するつもりだ──元顧問弁護士

Ex-Trump Attorney Warns Trump May Have Already 'Given Away' Sensitive Info

2022年8月30日(火)17時42分
キャサリン・ファン

コーエン(左)はトランプのロシア疑惑などに絡んで禁錮3年の実刑判決を受けた(写真は2016年) Jonathan Ernst-REUTERS

<起訴され刑務所で一生を終わるぐらいなら、アメリカの最高機密を売ることも厭わない、すでに売っているかもしれない、とかつての腹心は言う>

ドナルド・トランプ前米大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエンは、FBIがトランプの別邸「マールアラーゴ」の家宅捜索で見つけた機密文書について、トランプが既に「漏えいさせて」いる可能性があるし、そうでなければ彼がアメリカを「人質に取る」ためにその情報を利用するおそれがあると指摘した。

コーエンは8月28日の夜にTikTokに投稿した動画の中で、「(トランプは)おそらく、既に情報を漏えいさせている」と警告した。

「私が何カ月も前から言ってきたことに、ようやく人々が耳を傾け始めている」とコーエンは述べた。「ドナルド・トランプが、アメリカ国民やこの国のためにしていることなど何ひとつない。全ては彼自身のためにしていることだ。ドナルドは、この国を人質に取るために機密文書を使おうと考えているのだ。それが彼の目的だ」

エイプリル・ヘインズ米国家情報長官は26日、下院の情報特別委員会と監視・改革委員会の委員長に宛てた書簡で、マールアラーゴから回収した15箱分の文書について、公開された場合の国家安全保障上のリスクを評価していると述べた。

トランプは「まずい状況を自覚しているはず」

コーエンは28日の動画の中で、「(トランプは)近いうちに起訴されるだろう」と予想した。「トランプは、自分がかなりまずい状況に追い込まれていることを知っている」と指摘し、「国家反逆罪で訴えられて残りの人生を刑務所で過ごすことにならないようにする」ために、機密文書に記されている情報を利用するだろうと警告した。

司法省が26日に、マールアラーゴの捜索令状取得に使われた宣誓供述書の一部を公開すると、トランプの1回目の弾劾裁判で弁護団に起用されたアラン・ダーショウィッツは、同供述書には「起訴するのに十分な根拠がある」と指摘。それでも、大統領経験者の起訴が前代未聞の事態であることを考えると、現実にそうなる可能性は低いだろうと述べた。

問題の宣誓供述書によれば、米国立公文書館が1月にマールアラーゴから回収した文書の中から、「最高機密」と書かれた文書が25点、「機密」と書かれた文書が92点、「部外秘」と書かれた文書が67点見つかっていた。同供述書にはさらに、捜査員たちがマールアラーゴに「国防情報に関するさらなる機密文書がある」と確信している旨も記されていた。元連邦検察官のアンドリュー・ワイスマンは宣誓供述書の公開を受け、MSNBCに対して、トランプは「訴追されるだろう」との見方を示した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪首相、AUKUS前進に自信 英首相発言受け

ビジネス

日米関税交渉は延長戦、「認識なお一致せず」と石破首

ワールド

トランプ氏、イランとの核合意なお目指している=国防

ワールド

米財務長官との為替協議、具体的日程「決まっていない
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 3
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染みだが、彼らは代わりにどの絵文字を使っている?
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 7
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 8
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 9
    「そっと触れただけなのに...」客席乗務員から「辱め…
  • 10
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中