最新記事

アフガニスタン

ザワヒリ殺害がアフガニスタンで行われたことが示す、新たなテロの危機

UNFINISHED BUSINESS

2022年8月15日(月)15時13分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

バイデンはテレビ演説で、ザワヒリ暗殺が9.11遺族にとって「もう一つの終結の手段」になることを望むと述べた。バイデンはまた、ドローン攻撃は米軍のアフガン撤退の正当性を証明するものだとも考えていた。

彼は当時、軍隊を駐留させなくともアルカイダや他のテロ組織がアフガニスタンを活用するのを防ぐことができると述べたが今回、アメリカはまさにそのための一歩を踏み出した。

だが同時に、そもそもザワヒリに安住の地が与えられていたことが憂慮される。

元CIAのテロ分析官であるブルッキングス研究所のブルース・ライデル上級研究員は、「タリバンが所有する家にザワヒリが隠れていたことは非常に気掛かりだが、驚くことではない」と述べる。

ザワヒリはパキスタンの軍統合情報局(ISI)と強い結び付きのあるジハード(聖戦)主義のハッカニ・ネットワークと長年のつながりがあるからだ。

ISIがアルカイダと何をしているのか、さらに両者がタリバンと何をしているのか、「深刻な問題を提起している」とも、ライデルは言う。

ザワヒリ暗殺の命を下したバイデンはこれらの同盟関係を弱め、彼らの計画を遅らせたかもしれない。だが、全ての動きを封じたということではなさそうだ。

©2022 The Slate Group

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は3日続伸、終値ベースの最高値更新 円安な

ビジネス

キリンビール、「東南アジア地域本社」設立 35年に

ビジネス

午後3時のドルは148円後半、3週間ぶり高値圏で戻

ワールド

台湾、超大型台風の死者数を14人に修正 行方不明3
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 2
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 3
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市場、売上を伸ばす老舗ブランドの戦略は?
  • 4
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 5
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 6
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性…
  • 7
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 8
    トランプの支持率さらに低下──関税が最大の足かせ、…
  • 9
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 10
    9月23日に大量の隕石が地球に接近していた...NASAは…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 5
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 6
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 7
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 8
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 9
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 10
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中