最新記事

ディープフェイク

ディープフェイクを悪用し、存在しない人物がリモート面接を突破している FBIが警告

2022年7月11日(月)18時30分
青葉やまと

フェイクを見分けるには、いくつかのポイントがあるようだ。FBIは、瞳孔やピアス穴など細部の形状が乱れている、背景が過度にぼやけている、背景に不自然な歪みや模様があるなどの場合、フェイクを疑い捜査当局または専門家に鑑定を依頼した方がよいとしている。映像の場合は、映像と音声にずれがある、または頭や胴体の動きに不自然な点がある、などがヒントになるという。

技術的には日本でも起こり得る

ディープフェイクは世界で利用可能であり、アメリカに限らず日本企業が同様にターゲットとなる可能性も十分に考えられそうだ。

採用面接から実際の労働までをすべてリモートで済ませるケースはまだ一般的ではないかもしれないが、実際の人物に会う前に一時的にでも業務を進める場合にはリスクがあるだろう。ひととおりの業務知識と顧客リストを渡して作業に当たってもらったところ、出社日がくる前に連絡が取れなくなったというような事態は十分に想定される。

人事担当者向けニュースサイトの米TLNTは、「こうした詐欺師が採用となった場合には、データを略奪し、(PCを使用不能にして身代金を要求する)ランサムウェアを配布し、あるはそれ以上の悪事を働く機会を得ることになる」と述べ、企業の採用担当者らに警戒を促している。

FBIは「プロフィールで動画や写真、音声などを確認できたからといって、その人物が本物であるとは信じないように」とアドバイスしている。ディープフェイクの発達により、写真や動画はもはや存在の証拠として機能しなくなってきているようだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米首都への州兵派遣、支持38% 党派色鮮明=世論調

ワールド

米政権、加州高速鉄道計画への1.75億ドル資金支援

ワールド

ウクライナと週内にNYで会談、ロシアと協議継続中=

ビジネス

アルゼンチン中銀、預金準備率を50%近くに 選挙控
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪悪感も中毒も断ち切る「2つの習慣」
  • 4
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    「美しく、恐ろしい...」アメリカを襲った大型ハリケ…
  • 7
    「ありがとう」は、なぜ便利な日本語なのか?...「言…
  • 8
    【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    【クイズ】1位はアメリカ...稼働中の「原子力発電所…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 3
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 4
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 7
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中