最新記事

韓国

韓国でも夏休みを前に日本旅行熱が再燃しているが、その実情は......

2022年6月9日(木)18時00分
佐々木和義

一方、北海道・新千歳空港と沖縄・那覇空港の国際線運航を許可すると発表し、大手旅行会社のハナツアーやモードツアー、ロッテ観光開発などがチャーター便を利用する北海道旅行商品の販売を開始した。

中堅旅行会社の訪日ツアーも好調だ。イエローバルーンツアーは7月から8月に出発する日本行きパッケージツアーの5月の予約が前月の7倍に達し、ベリーグッドツアーの大阪行きパッケージツアーは販売開始からわずか2時間で売り切れた。

日本は観光入国を認める98か国・地域からの入国者に関しては6月1日以降、ワクチン接種の有無に関係なく隔離を免除するが、韓国も6月8日以降の入国者はワクチン接種の有無に関係なく、隔離を免除する。また、日韓両政府は、ビジネス利用者の要望が多い羽田-金浦路線を6月15日から再開する方向で準備を進めている。

日本への旅行は、コロナ禍前の3倍から4倍ほど高額

日韓いずれも観光客の受け入れを再開するが、自由観光とは程遠い。まずは高額な旅行費だ。ハナツアーを例に取ると、7月28日に出発して登別や洞爺などを巡る3泊4日のツアーは292万ウォン、小樽や富良野を巡るツアーは329万ウォンとコロナ禍前の2倍から3倍だ。福岡行き3泊4日のツアーも230〜250万ウォンで、コロナ禍前と比べて3倍から4倍ほど高額だ。

米国や欧州行き航空券もコロナ禍前の2倍以上で、バケーションとインフレを合わせた「バケフレーション」という新造語が登場するなど、夏休みの旅行を断念する人たちも現れている。

ビザも自由旅行にブレーキをかける。韓国政府は個人旅行を認めるが、ビザが発給されるまで時間がかかる。日本政府は団体観光客へのビザ発給を再開し、個人観光客を段階的に受け入れた後、ビザ免除を検討するとみられている。

ビザ免除は相互主義が基本で、韓国政府はビザなし訪問の再開を目指して、日本政府と協議を進めたい考えだが、日本は前段階となる個人観光客へのビザ発給を7月の参議院選終了後に協議すると説明しており、1日でも早くビザ免除を再開したい韓国と慎重な姿勢の日本の間で温度差が生じている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

EUに8月から関税30%、トランプ氏表明 欧州委「

ビジネス

GMメキシコ工場で生産を数週間停止、人気のピックア

ビジネス

米財政収支、6月は270億ドルの黒字 関税収入は過

ワールド

ロシア外相が北朝鮮訪問、13日に外相会談
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「裏庭」で叶えた両親、「圧巻の出来栄え」にSNSでは称賛の声
  • 3
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 4
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 5
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 6
    主人公の女性サムライをKōki,が熱演!ハリウッド映画…
  • 7
    セーターから自動車まで「すべての業界」に影響? 日…
  • 8
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 9
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 10
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 7
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 8
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中