最新記事

ウクライナ情勢

ロシア、マリウポリ市街地でウクライナ軍「排除」 残る兵士に投降要求

2022年4月17日(日)17時21分
ロシアの攻撃で廃墟となったウクライナ南部マリウポリのアゾフスタル製鉄所

ロシアは4月17日、ウクライナ南部マリウポリで戦闘を続けているウクライナ軍に武器を置いて投降するよう要求した。ロシア国防省は16日、マリウポリの市街地からウクライナ軍を排除したとし、市内の製鉄所に少数のウクライナ兵が残されているだけだと発表していた。写真はマリウポリで15日撮影(2022年 ロイター/Alexander Ermochenko)

ロシアは17日、ウクライナ南部マリウポリで戦闘を続けているウクライナ軍に武器を置いて投降するよう要求した。

ロシア国防省は16日、マリウポリの市街地からウクライナ軍を排除したとし、市内の製鉄所に少数のウクライナ兵が残されているだけだと発表していた。

同市をほぼ制圧したというロシア側の主張の真偽は確認できていない。

ロシア国防省は「アゾフスタル製鉄所の壊滅的な状況を考慮すると同時に、純粋に人道的な原則」に従い、モスクワ時間17日午前6時(日本時間午後0時)から敵対行為をやめ、武器を置くことを提案すると表明。午前10時までに武器や弾薬を持たずに製鉄所から出るよう要求し、そうすれば命は助かるとした。

ウクライナ側は返答していない。

同国のゼレンスキー大統領は現地メディアに対し、マリウポリの状況は「非常に困難だ」と述べた。その上で「われわれの兵士は包囲され、負傷者が包囲されている。人道危機が起きているが、それでも彼らは防衛を続けている」と語った。

ロシア通信(RIA)によると、同国国防省は16日時点でウクライナ軍がマリウポリで4000人以上の兵士を失ったとしている。

ゼレンスキー大統領は、ロシアがマリウポリで「(ウクライナ側を)意図的に全滅させようとしている」と非難し、残る兵士らと連絡を取っていることを明らかにした。ウクライナ軍が市街地から排除されたとのロシアの主張については言及しなかった。

「マリウポリが包囲されて以降、軍事的もしくは外交的な解決策を模索しなかった日は1日もない」と強調しながらも、「解決策を見つけるのは極めて困難だ。これまでに100%現実的な選択肢は見つかっていない」と述べた。

ロシアは黒海艦隊の旗艦沈没を受け、ウクライナ各地に長距離ミサイル攻撃を仕掛けており、16日には首都キーウ(キエフ)の戦車修理工場を戦闘機で攻撃したと発表した。市の南東部では爆発音が聞かれ、市長は少なくとも1人が死亡したと明らかにした。

ウクライナ軍は、ベラルーシ領内から離陸したロシアの戦闘機がポーランド国境に近い西部リビウ周辺にミサイルを発射し、ウクライナの対空システムが巡航ミサイル4発を撃墜したと明らかにした。

東部ハリコフ州の知事は、ミサイル攻撃で少なくとも1人が死亡、18人が負傷したと発表。

一方、南部ミコライウでは、軍事車両の修理工場を攻撃したとロシアが発表した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア戦車を破壊したウクライナ軍のトルコ製ドローンの映像が話題に
・「ロシア人よ、地獄へようこそ」ウクライナ市民のレジスタンスが始まった
・【まんがで分かる】プーチン最強伝説の嘘とホント
・【映像】ロシア軍戦車、民間人のクルマに砲撃 老夫婦が犠牲に


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏 、 ホルムズ海峡に多くの国が軍艦派遣と

ビジネス

イラン情勢注視続く、FRB金利見通しも焦点=今週の

ワールド

イスラエル、レバノンと数日内に協議へ ヒズボラと戦

ワールド

北朝鮮の金総書記、多連装ロケット砲の発射訓練視察=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 5
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 6
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 7
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 10
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中