最新記事

ワクチン忌避

コロナ・ワクチンを忌避する人とロシア支持する人との相関が示唆される──カナダの調査

2022年4月5日(火)17時59分
松岡由希子

ロシアを支持する人と、ワクチン忌避する人との相関...... ladimir Astapkovich/REUTERS

<「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は正当化されるか」との問いに「そう思う」と回答した割合の調査が行われた......>
 
新型コロナウイルスワクチンの接種を望まないワクチン忌避とロシアへの支持との相関を示唆する調査結果が明らかとなった。

カナダの調査会社イーコス・リサーチは、2022年3月9日~13日、無作為に抽出した18歳以上のカナダ人1035名を対象にアンケート調査を実施し、新型コロナウイルスワクチンの接種回数ごとに回答者を分類して比較した。

「ロシア軍はウクライナで戦争犯罪を行っていると思うか」

「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は正当化されるか」との問いに「そう思う」と回答した割合は、新型コロナウイルスワクチンを3回接種した人ではわずか2%にとどまった一方、新型コロナウイルスワクチンを接種していない人では26%であった。

また、「ロシア軍はウクライナで戦争犯罪を行っていると思うか」との問いに「そう思う」と回答した割合は、新型コロナウイルスワクチンを3回接種した人では88%にのぼった一方、新型コロナウイルスワクチンを接種していない人では32%にとどまっている。

「国内での物価上昇や経済の成長減速につながるとしても、カナダはロシアにより厳しい制裁を科すべきか」との問いに「そう思う」と回答した割合は、新型コロナウイルスワクチンを3回接種した人では82%にのぼった一方、新型コロナウイルスワクチンを接種していない人では18%にとどまった。

また、ロシアによる軍事侵攻に対してカナダがとるべき措置として、新型コロナウイルスワクチンを3回接種した人では「ロシアにより厳しい経済制裁を科す」(86%)、「プーチン大統領とつながりが深いオリガルヒ(新興財閥)の資産を凍結する」(85%)を挙げる割合が高かった一方、新型コロナウイルスワクチンを接種していない人でこれらを挙げた割合はわずか13%であった。

ワクチン反対運動活動家がロシアの軍事侵攻を支持......

ワクチン反対運動を推進する活動家や団体がロシアの軍事侵攻を支持する動きはいくつかみられる。
チェコのワクチン反対派「Chcípl PES」は、ロシアによる軍事侵攻の直前に、プーチン大統領を支持する主張をフェイスブックに投稿した。

また、スコットランドの独立系非営利メディア「フェレット」によると、スコットランドのワクチン反対派「ホワイトローズ」は英国政府が放送許可を取り消したロシア国営テレビ「RT」のコンテンツをSNS「テレグラム」で積極的に拡散している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、ガザ最大の難民キャンプとラファへの攻

ビジネス

中国、超長期特別国債1兆元を発行へ 景気支援へ17

ワールド

ロシア新国防相に起用のベロウソフ氏、兵士のケア改善

ワールド

極右AfDの「潜在的過激派」分類は相当、独高裁が下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子高齢化、死ぬまで働く中国農村の高齢者たち

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 6

    自宅のリフォーム中、床下でショッキングな発見をし…

  • 7

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 8

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 9

    あの伝説も、その語源も...事実疑わしき知識を得意げ…

  • 10

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 9

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中