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プーチン逮捕・起訴に向けて、国際社会の反撃──戦犯の証拠保全が活発化

2022年3月4日(金)17時11分
青葉やまと

イギリスのドミニク・ラーブ司法大臣は「戦争犯罪には刑事免責など存在しない。いかなる戦争犯罪も確実にその責任を問われるべきだという、国際社会による明確な意思がある。プーチンであれ、モスクワにいる彼の取り巻きであれ、戦場の指揮官であれ、だ」と述べ、戦争犯罪を許容しない揺るぎない意志を示している。

当面のあいだ、プーチン氏がロシアを離れる公算は低い。しかし、起訴後に氏が国際法による「普遍的管轄権」を実施するいずれかの国を訪れた場合、訪問国は氏を拘束することができる。

ZMEサイエンス誌は、国際司法裁判所で起訴されれば出廷が必須となり、プーチン氏がロシア国外へ出国する可能性があると論じる。その可能性は高くないものの、過去にはスルプスカ共和国のラドヴァン・カラジッチ元大統領がボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に関連し、終身刑を宣告されている。

ジョーダッシュ人道弁護士はスカイ・ニュースに対し、「長期的には国際司法裁判所は、問題とする人物を最終的には捕えてきたという非常に良い実績をもちます」と語る。ウクライナ侵攻を正当化するプーチン氏だが、遠い将来、ロシア国外でその報いを受ける日が来るのかもしれない。

Russian blasts hit civilian areas: the videos analysed as war crime evidence



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