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注目が嫌なはずでは? 英ヘンリー王子、スーパーボウル観戦での「特権」使用に批判

Prince Harry Visits Rams Locker Room After Super Bowl Victory

2022年2月17日(木)11時57分
キャサリン・アルメシン
ヘンリー王子

Caitlin Ochs-REUTERS

<王室を離脱して自らスポットライトから逃れたはずのヘンリー王子が、セレブパワーを利用して特別扱いを受けることを疑問視する声が>

2月13日に行われた米プロフットボールNFL王者を決める第56回スーパーボウルで、ロサンゼルス・ラムズが22年ぶりの優勝を果たした。この試合を従妹のユージェニー王女とともに観戦した英ヘンリー王子だが、その試合後の行動が物議を醸している。

ヘンリー王子は、シンシナティ・ベンガルズを23-20で破ったラムズのロッカールームを訪れ、その様子はSNSに投稿された。なお妻であるメーガン妃は、この日は同行していなかったようだ。

写真には、ラムズの帽子をかぶったヘンリー王子が、ロッカールームでラムズのオーナーであるスタン・クロエンケと談笑する様子などが収められていた。クロエンケは、英プロサッカーチームの名門、アーセナルのオーナーでもある人物だ。

また別の写真では、ヘンリー王子はスーパーボウル優勝チームに与えられるトロフィー「ヴィンス・ロンバルディ・トロフィー」を興味深そうに眺めていた。これらの写真を投稿したラムズの公式アカウントは、「王族になったような気分だ」とのコメントを添えた。

とはいえヘンリー王子の行動は、単に勝利に沸く試合後のロッカールームをセレブが訪問したという出来事以上の反応を引き起こすこととなった。彼の登場を素直に楽しむ人もいれば、なぜそんなことをするのか疑問に思う人もいたようだ。

セレブパワーは問題なく使うのか

ツイッターには様々なコメントが寄せられた。「後ろにいる選手たちは『あいつ、ここで何やってんだ?』とか『誰だあれ?』とかって思っているように見えるね」といったものや、「王族として本来やるべきことに従えば、より若いファンたちがチームに会えるよう企画した方がよかったのでは? 自分の記念写真や目立ちたがりの行動ではなく」といった批判的な声が多く上がった。

「彼はもう『王族』の称号は自ら手放した。スポットライトから外れたいと願ったはずの男だけど、『セレブ』の力を使うことに疑問は感じないんだね」というコメントもあった。ラムズ側の「王族になったような気分だ」というコメントに対し、「彼はもう王室を離脱したよ」と突っ込む人もいた。

一方、彼とラムズの選手たちが会ったことを喜ぶ声もある。「アメリカンフットボールのパトロンに? いい話じゃないか!」といった皮肉めいたものもあるが、「ハリーにはとても満足している。彼の母親はアメリカの人々を愛し、またアメリカの人々から愛された。ハリーが受け入れられている姿の見るのは素晴らしいことだ。チャールズとカミラの毒から逃れて、がんばれハリー。私たちはあなたを愛している」というコメントもある。

ヘンリー王子といえば、かつては熱心なラグビーファンとして知られ、イングランドのラグビー協会のパトロンを務めていた。だが王室を離脱したことに伴い、その役割は義理の姉であるキャサリン妃に引き継がれている。現在はアメリカで暮らすヘンリー王子は、スポーツの趣味もアメリカに染まってきたのだろうか。

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