最新記事

感染症

コロナ感染軽症者、後遺症の自覚なくても注意力や記憶力低下=英オックスフォード大

2022年1月19日(水)11時56分
救急搬送される新型コロナウイルスの患者

新型コロナウイルス感染の軽症者に、後遺症の自覚がない場合でも感染後6─9カ月の間に注意力や記憶力の低下が見られることが英オックスフォード大学の研究で示された。Hannah Mckay-REUTERS

新型コロナウイルス感染の軽症者に、後遺症の自覚がない場合でも感染後6─9カ月の間に注意力や記憶力の低下が見られることが英オックスフォード大学の研究で示された。

初期の感染症状の後に一部の人が長期間悩まされている後遺症「long COVID(ロング・コビット)」の特徴には、集中力に影響を与える認知的な問題や物忘れ、疲労感があるが、注意力の問題が感染後にどのくらい続くのかはまだはっきり分かっていない。

この研究では、過去に検査で陽性となり、従来の後遺症を訴えていない参加者を対象に記憶力と認知能力を試す調査を実施。

その結果、感染後最長6カ月にわたって、エピソード記憶と呼ばれる個人的な経験を思い出す能力が著しく損なわれるケースが示された。

また、感染後最長9カ月で注意持続能力に非感染者よりも大幅な低下が見られた。

オックスフォード大学実験心理学科のSijia Zhao博士は「驚くべきことは、参加者が実験の際に症状を感じていなかったにもかかわらず、注意力と記憶力が低下が示されたことだ」と指摘。

「数カ月にわたって認知力に慢性的な影響があることが明らかになった」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・コロナ感染で男性器の「サイズが縮小」との報告が相次ぐ、「一生このまま」と医師
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・日本のコロナ療養が羨ましい!無料で大量の食料支援に感動の声
・コーギー犬をバールで殺害 中国当局がコロナ対策で...批判噴出


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、第1四半期速報値0.3%減 関税で3年ぶ

ワールド

トランプ氏、「好きなだけ」政権にとどまるよう要請 

ワールド

中国との公正な貿易、知的財産権の管理も含まれる=ト

ビジネス

独CPI、4月速報は+2.2% 予想上回るも伸びは
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 2
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・ロマエとは「別の役割」が...専門家が驚きの発見
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 7
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 8
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 9
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中