最新記事

核兵器

米ロ英仏中、共同声明で核戦争を否定 核不拡散を確約

2022年1月4日(火)12時00分
ロシアの核ミサイル

核保有国である米国、ロシア、英国、フランス、中国の5カ国は核兵器の一段の拡散と核戦争を回避する必要があるとする共同声明を発表した。写真は2008年4月、モスクワで撮影(2022年 ロイター/Denis Sinyakov)

核保有国の米国、ロシア、英国、フランス、中国の5カ国は3日、「核戦争に勝者はいない。核戦争を絶対に始めてはならない」とする共同声明を発表し、核兵器の拡散防止と核戦争の回避を訴えた。

国連安全保障理事会の常任理事国である5カ国は、「常任理事国による核戦争と軍拡競争の防止に関する声明」と題する共同声明で「核保有国間の戦争回避と戦略リスクの低減」を最重要の責務と考えていると表明。「核兵器の使用は広範な影響を及ぼすため、核兵器が存在し続ける限り、防衛目的、侵略抑止、戦争予防のために利用されるべきことを確認する」とした。

その上で核拡散の防止を訴え、核拡散防止条約(NPT)で課された義務に対するコミットメントを表明した。

中国国営の新華社通信によると、同国の馬朝旭外務次官は、共同声明は相互の信頼向上につながり、「大国間の競争を協調と協力に変え得る」と強調。中国は核兵器「先制不使用」の方針を掲げていると続けた。

米国防総省は11月に中国の核弾頭保有数の予測を大幅に引き上げ、2027年までに700発、30年までに1000発に達する恐れがあると警告した。

米政府は、米国とロシアの新たな核軍縮条約の枠組みに中国も参加するよう繰り返し呼び掛けている。

一方、ロシアによるウクライナとの国境沿いでの軍増強を受け、同国と西側諸国との間の地政学的な緊張が高まっている。米国のバイデン大統領とロシアのプーチン大統領は12月30日に電話会談を行い、ウクライナ情勢を巡る緊張が高まれば、米ロ関係の決裂につながる可能性があると互いに警告。こうした中、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)は今月12日に協議を行うほか、ロシア、米、複数の欧州の国を含む拡大会合が13日に開催される見通し。

国連では4日からNPT再検討会議が開かれる予定だったが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、8月への延期が決まっている。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ウクライナ和平交渉が2日目に、ゼレンスキー氏と米特

ビジネス

中国万科、償還延期拒否で18日に再び債権者会合 猶

ワールド

タイ、2月8日に総選挙 選管が発表

ワールド

フィリピン、中国に抗議へ 南シナ海で漁師負傷
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中