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習近平「賭博狩り」でマカオを窮追、恩恵を受けるのは反中のあの国

2021年12月6日(月)16時05分
ジェームズ・パーマー(フォーリン・ポリシー誌副編集長)

習近平(シー・チンピン)体制下の中国政府は、資金洗浄の取り締まりを強化し、その一環としてマカオ・ルートの遮断にも力を入れてきた。それに加えて、マカオの享楽的な風土は、共産党主導の緊縮路線や潔癖主義とは相いれない面も大きい。

長い目で見た場合、マカオの賭博産業への締め付けが強まることで最も恩恵に浴するのは、オーストラリアの賭博産業かもしれない。

オーストラリアの賭博産業は、最近は新型コロナの影響で打撃を被っているが、これまで中国人相手の商売で繁盛してきた実績がある。

しかも、中国政府とオーストラリア政府の関係が悪化していることを考えると、中国政府がオーストラリアの賭博産業に摘発の手を伸ばすことは難しい。

今後、マカオからカジノ・ビジネスの流出が加速すれば、オーストラリアがある程度受け皿になっても不思議はない。

From Foreign Policy Magazine

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