最新記事

日本社会

「眞子さまは海外脱出を選ぶしかなかった」 反論できない人を誹謗中傷する人たちが誤解していること

2021年10月26日(火)07時30分
伊藤和子(弁護士・国際人権NGOヒューマンライツナウ理事・事務局長) *PRESIDENT Onlineからの転載

2018年2月、婚約を発表したときの眞子さまと小室圭さん REUTERS 

<2017年5月に交際が伝えられてから4年。この間のふたりを取り巻く環境は大きく変わったが──>

まるで時計の針を封建時代に戻したかのよう

秋篠宮家の長女である眞子さまが、長い春を実らせてようやく結婚されようとしている。

逆境を乗り越えて皇室内でも理解が得られ、結婚を迎えることについてまず何よりおめでとうございますと申し上げたい。

ところが日本の世論は異常である。

結婚相手の小室圭さんの母親と元交際相手との間の金銭トラブルが週刊誌で報じられて以来、小室さんや母親そして、眞子さま本人への極めて悪質な誹謗中傷が後を絶たない。

この誹謗中傷は、小室さんがロースクールを卒業し、晴れてニューヨークでの就職先を決めて帰国して、結婚が秒読み段階となっている今いよいよボルテージを上げている。

10月10日には東京・銀座で結婚に反対するデモ行進が行われた。

なぜ他人の結婚に干渉したがるのだろうか。

それぞれが意見・感想を持つことは自由だろう。

しかし、自分の意思で選んだ人と結婚することは、極めて重要な人権である。結婚・恋愛は、人生の幸せに直結する、最も重要な選択だ。それを否定しようという社会の空気は、まるで時計の針を封建時代に戻したかのようである。

憲法24条は、結婚は当事者の合意のみに基づいて成立すると規定する。それを、国民世論によって妨害しようとする現象は日本の人権意識の低さを表すものだ。

※内親王である眞子さまは、日本国憲法1章(1~8条)の記述に該当しない。
 

否定的な報道で巨額の利益を得ているメディア

メディアの責任は重大である。

眞子さまと小室さんには執拗な人格攻撃を含んだ否定的な報道が沈静化するどころかヒートアップしており、それが二人への誹謗中傷を加速させている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、ネクスペリア巡りオランダ経済相を批判 高官の

ビジネス

中国、消費拡大と需給バランス改善を表明

ワールド

米、「対等で公正」な核協議の用意ない=イラン外相

ビジネス

GDP7─9月期は6四半期ぶりマイナス、自動車など
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中