最新記事

フィリピン

比大統領選有力候補ボンボン・マルコスに学歴詐称疑惑 オックスフォード大卒はフェイク?

2021年10月23日(土)20時32分
大塚智彦
ボンボン・マルコス氏

ボンボン・マルコス氏は本当にオックスフォード大学を卒業したのか? Rouelle Umali - Reuters

<次期大統領の可能性が高い男に降って湧いたスキャンダルは仕組まれたものなのか──>

2022年5月のフィリピン大統領選に立候補しているマルコス前大統領の長男、フェルディナンド・マルコス・ジュニア(愛称ボンボン・マルコス)元上院議員に学歴詐称疑惑が持ち上がっている。地元紙の報道で明らかになったもので、立候補届け出後の報道に対し、政治的な背景の有無が取りざたされる事態となっている。 

10月23日の地元紙「インクワイアリ」の電子版は「オックスフォード大学フィリピン人卒業生の団体、ボンボン氏は同大を卒業していないと主張」という記事を掲載して、この疑惑を伝えた。

報道によると、ボンボン・マルコス氏はウェブサイト上などに掲載している経歴として「英オックスフォード大学政治学部から特別卒業証書を得た」として同大卒業と学位を取得したことを明らかにしている。

ところがこれに対し「オックスフォード・フィリピン協会」がクレームをつけた。同協会はオックスフォード大学を卒業したフィリピン人約200人で構成される団体で、オックスフォード大学が公認しているフィリピンで唯一の団体という。

「卒業も学位取得も事実ではない」

この協会が「ボンボン・マルコス氏はオックスフォード大学の政治学部に在籍したことはあり、特別卒業証書を取得しているものの、これは正式の学位取得を証明するものではなく、同学部も正式には卒業していない」との見解を10月22日にインターネット上にアップした声明で明らかにした。

この調査結果は2015年に同協会がオックスフォード大学に直接照会して得た正式の結果であるとしている。

報道によると、オックスフォード大学の卒業名簿にボンボン・マルコス氏の名前がないことから過去にフィリピン人ジャーナリストが事実確認を行ったが、その際もボンボン・マルコス氏はかつて上院議員を務めていたことから「上院のウェブサイト」や自身のウェブサイトに掲載されている学歴に関する情報は「正確である」と主張していたという。

それによるとボンボン・マルコス氏は1975年から1978年までオックスフォード大学セント・エドモンド・ホールで政治学を学び「特別卒業証書」を得たとしている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

植田総裁、21日から米国出張 ジャクソンホール会議

ビジネス

中国のPEセカンダリー取引、好調続く見通し 上期は

ワールド

マスク氏が第3政党計画にブレーキと報道、当人は否定

ワールド

訪日外国人、4.4%増の340万人 7月として過去
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    【クイズ】沖縄にも生息、人を襲うことも...「最恐の…
  • 9
    習近平「失脚説」は本当なのか?──「2つのテスト」で…
  • 10
    時速600キロ、中国の超高速リニアが直面する課題「ト…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中