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英王室は本気?エリザベス女王が気候変動との戦いに大号令

Queen Elizabeth II Invokes World War Two in Rallying Cry on Climate Change

2021年10月20日(水)18時41分
ジャック・ロイストン

息子のチャールズ皇太子は、数十年にわたって環境保護運動に取り組んできたが、女王自身も最近、この問題を新たに話題にする意志を見せている。

10月14日には、世界の首脳が気候変動問題について何もしないことに対して不満を述べる非公式な女王の発言が、マイクに拾われる一幕もあった。

ウェールズ議会の開会式でのことだ。この時の映像を見ると、女王がある人に対して、以下のように話していた様子だ。「彼ら(世界の首脳)が、口先だけで行動を起こさないのはとてもいら立たしい」

一方、女王の孫にあたるウィリアム王子は17日、自身が創設した環境アワード「アースショット・プライズ」について、第1回の授賞式を開催した。式典では、環境危機への技術的解決策を示した5つの個人と団体に対して、賞金100万ポンド(約1億5800万円)が贈られた。

ウィリアム王子はまた、ジェフ・ベゾスやイーロン・マスクによる宇宙観光事業についても厳しく批判し、まずはこの惑星、地球を救うことに注力すべきだと釘を刺した。

ケンブリッジ公の爵位を持つウィリアム王子はこの時、以下のように述べた。「世界最高レベルの頭脳や知性には、次に訪問や居住が可能な場所を見つけることではなく、この惑星(地球)の修復に力を尽くしてもらう必要がある」

「未来への解決策を考えるときは、地球をすっかりあきらめて宇宙へ向かうのではなく、地球に注力するべきだ」

これらの発言は、10月31日からグラスゴーで開催されるCOP26に向けて行われたものだが、その前の6月にも、同国のコーンウォールで開催されたG7サミットで、王室メンバーが自国の外交努力を助けるために登場するシーンがあった。

(翻訳:ガリレオ)

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