最新記事

タイ

タイ、王室改革にも切り込むデモ再燃、「和解の望みは絶たれようとしている」と人権団体

2021年8月16日(月)13時35分
セバスチャン・ストランジオ

昨夏に大きく盛り上がった抗議運動は鎮圧されたかに見えたが、今回のデモで若者たちの胸にともった民主化要求の炎が消えていないことが分かった。一方で政権側も1ミリたりとも譲歩する気がないことも明らかだ。

11日のデモ隊との衝突を前に、バンコク首都圏警察のパカポン長官は「暴力がエスカレートし、制御不能に陥るようであれば、治安維持のために軍に出動を要請することも検討する」とデモ参加者にクギを刺した。

約4000人の学生が結集した昨夏の集会に比べれば、今回のデモは小規模だが、警官隊との衝突の激しさは混乱の広がりを予感させる。

プラユット政権は今や日常的に抗議の声を力で圧殺している。対する反政府派も一部が先鋭化し、「目には目を」の報復合戦に発展しそうな形勢だ。

「譲歩や和解の望みは絶たれようとしている」と国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのスナイ・パスクはメディアに嘆く。「タイは新たなカオスに突入しつつある」

From thediplomat.com

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダック最高値に迫る、利下

ワールド

クアッド外相会合、7月1日に開催=米国務省

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、対ユーロ・ポンドで21年以

ワールド

EU首脳、ガザ即時停戦を要求 イスラエルの合意順守
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 2
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉仕する」ポーズ...アルバム写真に「女性蔑視」批判
  • 3
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事実...ただの迷子ですら勝手に海外の養子に
  • 4
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 5
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 8
    伊藤博文を暗殺した安重根が主人公の『ハルビン』は…
  • 9
    単なる「スシ・ビール」を超えた...「賛否分かれる」…
  • 10
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中