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バイデン、カブール自爆テロの実行犯ISIS-Kに警告「捕えて償わせる」

2021年8月27日(金)10時44分
バイデン米大統領

バイデン米大統領はアフガニスタンの首都カブールの空港周辺で起きた爆発を巡り、実行犯を捕らえて償わせると表明した。ホワイトハウスで撮影(2021年 ロイター/Jonathan Ernst)

バイデン米大統領は26日、アフガニスタンの首都カブールの空港周辺で起きた爆発を巡り、実行犯を捕らえて償わせると表明した。また、イスラム過激派への反撃計画を策定するよう国防総省に要請したことを明らかにした。

ホワイトハウスで演説し、「われわれは許さず、忘れることもない。(実行犯を)捕らえて償わせる」と述べた。

カブールの空港周辺ではこの日、2回の爆発があり、少なくとも13人の米兵が死亡し、民間人にも多数の死者が出た。

過激派組織「イスラム国(IS)」系の「イスラム国ホラサン(英語読みコラサン)」(ISIS-K)が犯行声明を出した。

バイデン氏は、米国はアフガニスタンからの退避を継続すると表明。「われわれがテロリストに阻止されることはない。彼らにわれわれの任務を中断させない。退避を継続する」と述べた。

ホワイトハウスのサキ報道官は記者団に対し、バイデン氏はさらなる攻撃を懸念する軍事顧問の助言に基づき、8月31日の米軍撤退期限を堅持していると説明した。

また、期限までの出国を望む全ての米国人を退避させるべくバイデン氏が取り組んでいるとし、「彼らへのコミットメントに期限はない」と述べた。

バイデン氏はISIS─Kの資産、指導部、施設への攻撃計画を策定するよう司令官らに指示したと明らかにし、「われわれは大規模な軍事作戦なしに彼らを捕らえる手段を見つける」と述べた。

バイデン氏はまた、米軍に対し必要なら増派すると伝えたことも明らかにした。

イスラム主義組織タリバンのカブール制圧によるアフガン情勢の過去2週間の変化について責任を感じるか問われると、「最近起きた状況の全ての責任は基本的に私が負う」と応じた。トランプ前政権がタリバンと2020年に結んだ和平合意にも責任の一端があるとの見方を示した。

さらに、バイデン氏はタリバンを信用していないとしながらも、戦争においては相手国の撤退を保証することが紛争の回避につながると指摘。米国の滞りないアフガニスタン退避はタリバン自らの利益にも沿っていると信じていると述べた。

*情報を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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