最新記事

人種差別

ファッション界の「中東紛争」がZARAの不買運動に発展

Zara Head Designer Spars With Palestinian Model, Sparks Boycott Calls

2021年6月16日(水)17時46分
エマ・メイヤー

このやりとりののち、ペリルマンは、自身のすべてのソーシャルメディア・アカウントを削除したと伝えられている。ハラハシはインスタグラムへの投稿で、ザラ側から、ペリルマンの謝罪を誰にでも読める形でシェアして欲しいとの依頼があったが、これを断わったと述べている。

「ザラが私に関して声明を作成するつもりがあるなら、イスラム嫌悪についても触れる必要がある。過去に反ユダヤ的な言動をしたファッションデザイナーは何人も解雇されている」とハラハシは述べた。「現時点で、ヴァネッサ・ペリルマンは職を失っていない」

「私にとって謝罪とは、誰かに対して引き起こした心の痛みや苦しみを全面的に認めることだ。彼女(ペリルマン)は私のDM(ダイレクトメッセージ)に乱入し、ヘイトに満ちたコメントを書いた。私が、口先だけの謝罪を受け入れるべき理由があるだろうか?」

怒りの拡散

この件が明るみに出て以来、ツイッターのユーザーからは、ザラに対応を求める声が高まっている。今のところ、ザラは公式声明を出していない。あるユーザーはこう述べた。「@ZARA(ザラ)よ、あなたの会社のチーフデザイナーが、パレスチナ人モデルが#FreePalestine(パレスチナに自由を)を支持したことを理由に彼を攻撃し、ヘイトを煽り、#Palestine(パレスチナ)#Gaza(ガザ)におけるイスラエルの犯罪行為を擁護しようとし、唾棄すべき人種差別やイスラム嫌悪、反パレスチナの思想を表明したことに関して、私たちは黙っているつもりはない。行動を起こせ、さもなければ#BoycottZara(ザラをボイコットせよ)」

別のユーザーは、こうツイートした。「彼女(ペリルマン)は、言い逃れようのない人種差別とイスラム嫌悪という、悪意に満ちた思想をまき散らした。これを、『誤解』としてなかったことにするのは容認できないし、@zarausa(ザラUSA)も同様に、人種差別主義者ということになる」

ザラの親会社、インディテックスの広報担当者は、本誌の取材に対してこう回答した。「ザラは、いかなる文化、宗教、国、人種、信仰に対しても、敬意に欠ける行いを容認することはない。ザラは多様性を重んじる企業であり、いかなる種類の差別も決して許さない。お互いを尊重するという当社の中核にある価値観を反映しないこれらのコメントを我々は非難するし、これらの攻撃を遺憾に思う」

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 AIの6原則
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月22日号(7月15日発売)は「AIの6原則」特集。加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」/仕事・学習で最適化する6つのルールとは


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国GDP、第2四半期は5.2%増で予想上回る 米

ビジネス

午前の日経平均は小反発、国内金利上昇で上値重い 金

ワールド

7─9月の石油需要「非常に強い」=OPEC事務局長

ビジネス

中国6月鉱工業生産、+6.8%で予想上回る 小売売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 2
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 6
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 7
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 10
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中