最新記事

中東

ガザ戦闘継続、イスラエルでタイ人労働者2人死亡 EUは停戦呼び掛け 

2021年5月19日(水)10時25分
イスラエルの空爆で被害を受けたパレスチナ自治区ガザ

イスラエルは18日、夜間に一時休止していたパレスチナ自治区ガザへの空爆を再開した。パレスチナの武装勢力もロケット弾を発射し、応酬した。写真は5月18日、ガザで撮影(2021年 ロイター/Suhaib Salem)

イスラエルは18日、夜間に一時休止していたパレスチナ自治区ガザへの空爆を再開した。パレスチナの武装勢力もロケット弾を発射し、応酬した。

警察当局によると、ガザとの境界に近いイスラエルの農家では、ロケット弾によってタイ人の労働者2人が死亡し、7人が負傷した。

夜間に戦闘が休止されていた間、国連はガザに小規模な燃料輸送団を派遣。国連の試算では、ガザではこれまでに約5万人の住人が行き場を失っている。

ガザの当局者は、先週の戦闘開始以降、パレスチナ側の死者は215人で、このうち61人が子ども、36人が女性だったと明らかにした。負傷者も1400人超に上る。

イスラエル側の死者は12人で、うち2人が子どもとなっている。

18日時点で、ガザでは約450の建造物が破壊、もしくは大きな損傷を受けた。国連のデータによると、病院6カ所と医療センター9カ所が含まれる。

イスラエル軍によると、ハマスやその他勢力がこれまで3450発超のロケット弾をガザから発射したと発表。また、イスラエル側は少なくとも130人の武装勢力を殺害したとしている。

イスラエルのネタニヤフ首相はツイッターへの投稿で、イスラエルの攻撃によって「ハマスを数年前まで後退させた」と表明。イスラエルのメディアは、数日以内に停戦し、勝利を宣言する可能性を示唆していると報じた。

しかし、元イスラエル軍幹部によると、ヨルダン川西岸などでは大規模な抗議デモが実施されているほか、レバノンからもロケット弾が発射されるなど、状況は混沌としている。

欧州連合(EU)の外相は停戦を呼び掛けたものの、イスラエルの同盟国であるハンガリーが同調することを拒否し、EU加盟国による全会一致での決定にはならなかった。

しかし、ハンガリーを除くEU加盟国は、米国やロシア、国連と連携し、和平プロセスの再開を目指すと確約した。

また、エジプトはガザ地区の復興に5億ドルを拠出すると表明した。

こうした中、フランスは、停戦に向けた国連安全保障理事会での決議を要求した。仏大統領府は、マクロン大統領とエジプトのシシ大統領、ヨルダンのアブドラ国王が会談し、「銃撃をやめ、停戦し、国連がこの問題に対応すべき」という3点で一致し、「停戦に向けた国連安保理の決議を採択する採決を要求する」という声明を発表した。

一方、外交筋によると、米国のトーマスグリーン国連大使は「安保理による行動や声明が暴力の終結を後押しするか見極める必要がある」とし、「現時点で公式な宣言が、事態の沈静化に寄与するとは判断してない」と慎重な見方を示した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドイツ総合PMI、3月速報値は3カ月ぶり低水準 サ

ビジネス

ドイツ企業、海外事業をさらに悲観視 イラン戦争前=

ワールド

EXCLUSIVE-韓国年金基金がドル売却、ウォン

ワールド

イラン、イスラエルにミサイル攻撃 トランプ氏の「交
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」した──イスラエル首相
  • 4
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 5
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に…
  • 6
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 7
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 8
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 9
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 10
    イラン戦争、トランプを泥沼に引きずり込む「5つの罠…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中