最新記事

米政治

トランプ弁護団 弾劾訴追への反論書面がスペルミスだらけで注目を集める

Trump's Lawyers Misspell 'United States' Twice in Impeachment Trial Filing

2021年2月4日(木)17時49分
サマンサ・ロック

退任しても話題には事欠かないトランプ Erin Scott-REUTERS

<「合衆国」のスペルを間違うのもひどいが、反論内容はもっとひどいと笑いものに>

ドナルド・トランプ前米大統領の弁護団が上院に提出した、弾劾訴追に対する反論書面が、間違いだらけで物笑いの種になっている。

米下院は1月6日に起きた連邦議会議事堂襲撃・占拠事件を扇動したとして、トランプの弾劾訴追を決定。2月9日から上院で弾劾裁判の審理が始まる予定だ。トランプの弁護チームを率いるデービッド・ショーンとブルース・キャスターは2日、弾劾訴追に対する反論の書面を上院に提出し、既に大統領を退任して私人であるトランプを弾劾裁判の対象とするのは違憲だと主張した。

しかし注目を集めたのはその内容ではなく、幾つものスペルミスだった。書面は合衆国上院の議員に宛てたものだったが、まず宛名の合衆国「United States(ユナイテッド・ステーツ)」のスペルが「Unites States(ユナイツ・ステーツ)」になっていた。

webw210204-misspell.jpg
冒頭からの恥ずかしいスペルミス  THE OFFICE OF DONALD TRUMP

弁護団はまた書面の中で、2020年の米大統領選は「盗まれた」ものだというトランプの根拠のない主張を繰り返し、トランプは引き続き「選挙結果は疑わしいものだったという考えを表明していく」と述べた。

書面には「第45代合衆国大統領の主張が正しいか否かについて、法律の専門家が判断できた十分な証拠がないことから、彼(トランプ)は自らの主張が誤りだったとは認めない」と書かれている。

「スペルミスも内容もお粗末」

弁護団はさらに、合衆国憲法は「弾劾の対象とするのは現職の大統領」と定めていると主張し、選挙結果が疑わしいというトランプの主張については、(言論の自由を保障する)憲法修正第1条の権利を行使したものだと述べた。

書面をさらに読み進めると、United Statesの2度目のスペルミスが出てくる。これについてソーシャルメディア上には、書面を作成した弁護団をからかうコメントが数多く投稿された。

CNNのアンカーであるジム・シュートはツイッターに「世界で最も偉大な審議会は『ユナイツ・ステーツの上院』」と書き込んだ。

民主党のドン・ベイヤー下院議員(バージニア州選出)は、「トランプの弁護団は書面の冒頭で『ユナイテッド・ステーツ』のスペルを間違えており、その後は内容がさらにお粗末になっていく」と指摘。

ジャーナリストで弁護士のジャド・レガムは「弾劾訴追に対するトランプの正式な反論は『ユナイテッド・ステーツ』のスペルミスで始まっている。今後はさらにひどくなっていくだろう」と皮肉った。

ワシントン・ポスト紙のフィリップ・バンプ記者も弁護団批判に参戦。弁護内容の分析に絡めて「書面の内容に興味がある人に教えよう。内容も同じようにお粗末だ」と書いた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=円が軟化、介入警戒続く

ビジネス

米国株式市場=横ばい、AI・貴金属関連が高い

ワールド

訂正-ゼレンスキー氏、和平案巡り国民投票実施の用意

ワールド

イスラエル、ソマリランドを初の独立国家として正式承
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中