最新記事

2020米大統領選

アメリカ大統領選挙、再集計で結果が変わることはあるか?

2020年11月12日(木)21時17分

トランプ米大統領は大統領選で、票の再集計によってバイデン前副大統領の勝利を阻めたらと期待している。写真はミシガン州デトロイトの開票所で3日撮影(2020年 ロイター/Rebecca Cook)

トランプ米大統領は大統領選で、票の再集計によってバイデン前副大統領の勝利を阻めたらと期待している。米国の選挙では再集計は日常茶飯事だ。特に州や地方政府レベルの選挙でよく行われるが、結果が覆った例は過去20年間で3件だけで、大統領選では1度もない。

再集計の仕組みと、過去の結果をまとめた。

Q:再集計とは?

再集計になると、当局は票の集計手続きをもう一度行う。米国の選挙全般では比較的おなじみの光景だが、大統領選では珍しい。

ウィリアム&メアリー法科大学院のレベッカ・グリーン教授は「再集計は日常茶飯事、ごく普通のことだ」と言う。教授によると、再集計では通常、最初の集計が相当に正確だったことが示される。ただ、最初と比べて小さな食い違いは出ることがあるが、それはしばしば、手書きされた投票用紙の判定などの問題で判断が分かれることが原因だ。

州ごとに再集計の取り扱いは異なるが、票を数え直すことになるのがほとんどだ。

ジョージア州では今回、99%開票段階でバイデン氏の得票率が49.5%、トランプ氏が49.3%で、バイデン氏が約1万2000票差で優勢だ。

今回、同州で投票所に出向いた有権者は、タッチスクリーン式の新たな投票システムを使った。このシステムでは、入力すると紙の投票用紙が排出される。これをスキャナーに読み込ませて集計する。不在者投票でも同じ投票用紙が使われ、同様のスキャナーを通った。

有権者がどの候補を選んだのか機械が判定できない場合には、超党派の選挙管理当局者らのグループが投票用紙を再点検し、有効票とするか、集計するならどう集計するかを決定。トランプ氏が再集計を求めた場合、ジョージア州の当局者はこうした作業を繰り返すことになる。

これとは別にトランプ氏陣営は、物故者や他州に転出した人々の票が集計されている証拠を見つけたと、根拠をほとんど示さずに主張している。トランプ氏陣営はまた、自陣営のボランティアが綿密な集計の点検を求めたが、阻まれたとも、さほど根拠を示さずに主張している。再集計はこうした問題には対処しないため、別の法的手続きで戦うしかない。

再集計手続きには数週間かかってもおかしくないが、一部の州は作業を終わりにする期限を設けている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、12日夜につなぎ予算案署名の公算 政府

ワールド

イランの濃縮ウラン巡る査察、大幅遅れ IAEAが加

ワールド

世界原油需給、26年は小幅な供給過剰 OPECが見

ビジネス

ミランFRB理事、利下げ改めて主張 「インフレは低
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 2
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 3
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働力を無駄遣いする不思議の国ニッポン
  • 4
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 9
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 10
    「麻薬密輸ボート」爆撃の瞬間を公開...米軍がカリブ…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中