最新記事

2020米大統領選

アメリカ大統領選挙、トランプ早くも2024年に向け準備? 退任後のメディア事業など検討

2020年11月15日(日)10時49分

結果を覆して再選を勝ち取る望みが薄まりつつある今、トランプ米大統領(写真)はメディア事業や番組への出演について顧問らと協議している。11月7日、ワシントンで撮影(2020年 ロイター/Carlos Barria)

結果を覆して再選を勝ち取る望みが薄まりつつある今、トランプ米大統領はメディア事業や番組への出演について顧問らと協議している。2024年の選挙への再出馬を見据えて支持者をつなぎとめる狙いがある。

複数のアドバイザーによると、トランプ氏は新たなテレビチャンネルやソーシャルメディア(SNS)企業を立ち上げることを検討している。自分を裏切り、国民との直接対話を邪魔したと自身が感じているメディア企業に対抗するという。

トランプ陣営の会議に出席したある共和党関係者は、トランプ氏が次の大統領選への出馬を表明する上で、SNSやメディア企業などあらゆる選択肢があり得るとの見方を示した。

複数のアドバイザーによれば、大統領選の結果を巡って起こした法的措置が終わったことが明らかになった時点で、4年後に再び出馬する計画を発表することを検討している。

トランプ氏の考えに詳しい顧問の1人は「彼はだまされたと感じており、再出馬を望んでいると述べた。

ただ共和党のある戦略担当者は、トランプ氏の2024年の共和党候補指名が確実なわけではないと指摘した。トランプ氏の再出馬表明で他の有力候補の動きが止まることはないとの見方を示し、「誰もがトランプ氏を尊敬しているが、そろそろ新しい章が必要だと考えている」と語った。

ペンス副大統領、ヘイリー前国連大使、ポンペオ国務長官、クルーズ上院議員、コットン上院議員、フロリダ州のデサンティス知事、サウスダコタ州のノーム知事らも共和党の有力候補とみられている。

ビジネスに復帰か

トランプ氏はFOXニュースに失望し、これに対抗する新たなテレビニュース局の立ち上げを検討してきた。トランプ氏の側近によると、大統領選でアリゾナ州の結果がまだかなり不透明な時点でFOXニュースがバイデン氏を当選確実としたことに腹を立てている。

トランプ氏の友人で保守系メディア、ニュースマックスのクリストファー・ルディ最高経営責任者(CEO)はFOXニュースに対抗するニュース局やインターネットでのストリーミングサービスを始めるのは難しいとの見方を示した。

「トランプ氏の周辺がそのような挑戦を評価しているか確信が持てない」とし、トランプ氏とニュースマックスの番組出演について話し合う用意があると語った。

トランプ氏はツイッターと競合するためのSNS企業を立ち上げる計画をアドバイザーと繰り返し協議してきた。ある共和党関係者は、同氏が数カ月前に選挙陣営の幹部との会議で「保守版ツイッター」の創設に必要な技術について語ったと明らかにした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・人民日報、「大差で勝った」と言い張るトランプを笑う
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力


ニューズウィーク日本版 トランプ関税15%の衝撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月5日号(7月29日発売)は「トランプ関税15%の衝撃」特集。例外的に低い税率は同盟国・日本への配慮か、ディールの罠

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン核施設への新たな攻撃を懸念=ロシア外務省報道

ワールド

USスチール、米国人取締役3人指名 米軍・防衛企業

ワールド

イスラエル閣僚、「ガザ併合」示唆 ハマスへの圧力強

ワールド

中国外相、米との関与拡大呼びかけ 対立に警鐘
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目にした「驚きの光景」にSNSでは爆笑と共感の嵐
  • 3
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い」国はどこ?
  • 4
    M8.8の巨大地震、カムチャツカ沖で発生...1952年以来…
  • 5
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    「自衛しなさすぎ...」iPhone利用者は「詐欺に引っか…
  • 9
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 10
    13歳も72歳も「スマホで人生が終わる」...オンライン…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 8
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 9
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 10
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中