最新記事

2020米大統領選

米大統領選、期日前投票に有権者が異例の長蛇の列!

Texas Sees Long Lines as Early Voting Begins

2020年10月14日(水)18時00分
マシュー・インペリ

暗いうちから投票所に並んだ有権者、社会的距離をとりながら(10月13日、テキサス州ヒューストン)  Go Nakamura-REUTERS

<米有権者が長い列を作るのは、史上最も重要な大統領選だからというだけでなく、公正な選挙が行われると信じていないからだ>

テキサス州が米大統領選の期日前投票をスタートした10月13日、ソーシャルメディアには、数百人の住民が投票所の外に長蛇の列を作り、投票の順番を待つ写真や動画があふれた。

住民は投票所が開く前、ときには夜明け前から、やってきて並んだ。投票所がある建物や駐車場をぐるりと取り囲むほど長い列もあった。

地元のニュース番組「テキサス・キャピタル・トゥナイト」は、テキサス州サウスオースティンで数百人の有権者が並ぶ様子を撮影して投稿した。

「テキサスで期日前投票がスタートしました! この列はサウスオースティンの投票所で、駐車場の裏まで伸びています」と、リポーターはコメントした。複数の何人かは、投票所が開く前の午前7時から並んでいたという。

ヒューストンの地元メディアCW39ニュースも、投票所周辺の様子を撮影した。

「駐車場は一杯で、行列は建物を取り囲んでいます」とコメントにはある。「忘れないでください。ハリス郡内なら、住民はどの投票所でも投票ができます」

ツイッターユーザーのジェニファー・G・ハドソンも、開場前から投票所に詰めかける有権者の様子を撮影した。

「これはびっくり! 写真は、ヒューストン郊外にあるテキサス州パーランドで、投票するために朝の7時半に並んでいた人の列。投票所は9時まで開かないのに」と、ハドソンは書いている。「私はここに13年住んでいるけど、投票する人の列なんて初めて見た」

ハリス郡書記官の公式ツイッターアカウントによると、同郡では、現地時間午前10時45分の時点で2万5000人以上の有権者が投票を済ませたという。

「アメリカ史上、最も重要な選挙」と言われる盛り上がりに加え、選挙当日には投票所が「密」になりそうなことや、もっとラクな郵便投票にはドナルド・トランプ大統領が「不正の温床」と反対していることなどの背景がありそうだ。

懸念はそれだけではない。フォートベンド郡では、技術的なトラブルから、予定の時間に投票を時間通りに開始できなかった。ありがちなことだが、フォートベンド郡判事のKP・ジョージは「非常に遺憾」とツイートした。今回の選挙では、ライバル陣営の支持者の投票を妨害する「投票妨害」が強く警戒されており、本当に技術トラブルなのかと疑念をもたれないからだ。

「トラブルの責任者は説明の義務を負う。投票妨害が現実の脅威である背景を踏まえ、徹底した捜査を命じる」と、同判事は続けた。

(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、ウクライナ和平案の感謝祭前の合意に圧力 欧州は

ビジネス

FRB、近い将来の利下げなお可能 政策「やや引き締

ビジネス

ユーロ圏の成長は予想上回る、金利水準は適切=ECB

ワールド

米「ゴールデンドーム」計画、政府閉鎖などで大幅遅延
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体制で世界の海洋秩序を塗り替えられる?
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 7
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中