超党派の投票権団体、ブレナン・センターのミルナ・ペレズ氏は「きちんと資格のある有権者を怖がらせ、投票に行くと危険な目に遭うと思わせる試みだ」と言い切った。

さらに民主党側は、トランプ氏陣営の活動について、負けた場合に郵便投票結果に異議を唱えるための下地作りだと主張。勝敗の判定を認めず、議会か法廷に決定を委ねようとする可能性があるとしている。

トランプ氏陣営の報道官、シア・マクドナルド氏は「トランプ大統領のための投票監視志願者は、全てのルールが公平に適用されることを見届けるよう訓練を受ける。不正が指摘されれば、トランプ氏陣営は法の執行を求めて法廷に訴える」との声明を出した。

共和党の存在を知らしめよ

共和党全国委員会が連邦裁判所の許可を得ず、こうした「投票の安全確保」活動を自在に支援する大統領選は約40年ぶりだ。過去にニュージャージー州の選挙で共和党が、拳銃を所持して「投票セキュリティー・タスクフォース」と書かれたユニフォームを来たチームをマイノリティー住民の居住地域に動員したのを受け、1982年の同意判決でこうした活動は制限されていた。

しかし、同意判決は2018年に期限を迎え、更新を求める民主党の訴えは連邦裁判所で棄却された。

2016年の大統領選でトランプ氏が辛勝したウィスコンシン州の共和党幹部によると、同州では監視人志願者らを民主党優勢の郡に配備する予定だ。

やはり重要な激戦州のペンシルベニア州も、監視活動の中心地となる見通し。同州の選挙人20人を確保できなければ、トランプ氏は再選の道を断たれるも同然なのだ。

共和党が支持者に送った電子メールによると、同党は同州フィラデルフィア郊外のモンゴメリー郡で向こう2週間、約50人の志願者を相手に、11カ所の郵便投票投函箱を監視するための仮想訓練を何度か行う。

ロイターが閲覧したメールには「共和党員がそこにいることを知らしめ、不正が見逃されることはないと有権者に分からせることが極めて重要だ」と書かれていた。

民主党も有権者を守るための独自活動を始めたが、選管に公式登録する投票監視人や弁護士団の動員など、より伝統的な手法を取っている。

法廷闘争

選挙専門家らによると、各地の選挙法は投票所での投票を念頭に設計されているため、郵便投票の爆発的な拡大によって、法のあり方が問われることになりそうだ。

フランクリン・マーシャル・カレッジの政治科学教授、テリー・マドンナ氏は、期日前投票所に立ち入ろうとしたり、投票用紙を投函しようとする有権者に盾突いたりする監視人についての規則は、存在しないという。「全ては選挙管理人の判断に委ねられる。選挙管理人が同意した行為は許される。そう考えると、大規模な法廷闘争につながる可能性が高そうだ」と予想する。

ペンシルベニア州フィラデルフィアでは9月下旬、期日前投票所に立ち入ろうとしたトランプ氏陣営関係者が選管理当局から追い返され、既に訴訟に発展。市当局者は、同州の規定では期日前投票所で選挙陣営関係者が「監視」行動を行う権利はないと表明。トランプ氏陣営は即座に提訴し、現在係争中だ。

(Jarrett Renshaw記者、Joseph Tanfani記者)

[ロイター]
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