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韓国版ウーバーイーツ「ベミン」 ロボット配達や小規模店へのネット講座でコロナ下の飲食店をサポート

大学キャンパスでの「ベミン」によるロボット配達の試験サービス Konkuk University

<日本同様、コロナ禍で飲食店の売上が減る韓国で、宅配サービスが新たな試みを始めた>

新型コロナの感染拡大で外出自粛が呼びかけられてから、外食を控える人が増加し、ウーバーイーツなど食品の宅配サービスが日本で定着してきたように思える。一方、お隣の国・韓国は、以前から配達天国として有名だった。ソウルの真ん中に流れる河川「漢江」でも、電話一つで河川敷にチキンや麺料理が宅配できるほどだ。もちろん家にもいろいろな食堂の宅配メニューが1冊になったフリーマガジンが毎日のように届けられる。

出前大国でありながらIT大国でもある韓国では、配達アプリも広く浸透している。数ある出前アプリの中でも、特に成功を収めているのが「ベミン」と呼ばれるアプリ「配達の民族」(배달의민족)だ。まさに出前好きな韓国人を表したようなネーミングと言えるだろう。

シェア63%という人気サービス「配達の民族」

「配達の民族」は、2010年にアプリ配信が開始された出前注文サービスである。それまで韓国では、直接お店に電話をかけて注文をする一般的な出前スタイルだった。しかし、このアプリでは、わざわざ通話しなくても、入力だけでオンライン注文ができる。

韓国人はもちろん、電話越しの会話に自信の無い外国人にも、出前を気軽に行えるようにしたのもこのアプリだ。もちろん、一部のフランチャイズなどでは、その前からオンライン注文を行っていた店も存在したが、「配達の民族」はアプリの中から様々なジャンルの料理が検索でき、出前できるお店も多様である。

ウーバーイーツとの大きな違いは、配達にある。「配達の民族」は、ウーバーイーツのようにデリバリー分野まで請け負っているわけではない。注文をお店側に伝え、配達はお店が個別に契約した配達代行業者が行っている。

そんな配達の民族が、今年さらなる進化を見せようとしている。韓国では、コロナの感染拡大後、様々なアイデアで非接触サービスが見直されるようになった。宅配の民族はこれを機にロボットを使ったデリバリーを開始しようとしている。


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