最新記事

香港

香港民主派メディア王の黎智英、辛抱強い活動訴え「過激ではなく柔軟に主張を貫く必要」

2020年8月14日(金)12時16分

香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕され、12日に保釈された香港のメディア王、黎智英(ジミー・ライ)氏(写真)は、ツイッターでのライブ中継で、民主主義確立のための「長い闘い」を辛抱強く続けるよう呼び掛けた。写真は香港で5月撮影(2020年 ロイター/Tyrone Siu)

香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕され、12日に保釈された香港のメディア王、黎智英(ジミー・ライ)氏は13日、ツイッターでのライブ中継で、民主主義確立のための「長い闘い」を辛抱強く続けるよう呼び掛けた。

民主派寄りの論調で知られる香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)の創業者である黎氏は10日、当局に外国勢力と結託した疑いで逮捕された。当局はまた、アップル・デイリーの事務所を家宅捜索した。

12日早くに保釈された同氏に対し、集まった多くの支持者らは「最後まで戦う」などと声を上げた。

同氏はライブ中継で支持者らに謝意を表明し、警察による家宅捜索は、広範囲な自由の確立を「酸素」のように必要としている香港市民の「信条」に反していることが支持者らの行動によって示されたと強調。

「酸素は薄くなり、われわれは窒息しつつあるが、窒息状態でもわれわれは互いの面倒を見て、抵抗し続け、法の支配と自由のための闘いを続けている」とした。

同氏は民主派の活動家は長期戦を戦う必要があると訴えた。

「過激になるべきではなく、真正面からの対決はできない」とし、「柔軟かつ革新的、そして辛抱強くあるべきで、主張を貫く必要がある」と訴えた。

同氏の逮捕以来、香港の人々は早朝から列を成してアップル・デイリーを購入するようになり、同紙を発行する黎氏のメディア企業、壱伝媒(ネクスト・デジタル)の株式も買いを集め、一時は2000%超の急騰を演じた。

同氏は株価急騰は「一時的な現象」と述べて、人々に「触れない」よう促した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・戦略性を失った習近平「四面楚歌」外交の末路
・世界が激怒する中国「犬肉祭り」の残酷さ


2020081118issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
楽天ブックスに飛びます

2020年8月11日/18日号(8月4日発売)は「人生を変えた55冊」特集。「自粛」の夏休みは読書のチャンス。SFから古典、ビジネス書まで、11人が価値観を揺さぶられた5冊を紹介する。加藤シゲアキ/劉慈欣/ROLAND/エディー・ジョーンズ/壇蜜/ウスビ・サコ/中満泉ほか

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米上院共和党、EVの新車税額控除を9月末に廃止する

ワールド

米上院、大統領の対イラン軍事力行使権限を制限する法

ビジネス

バフェット氏、過去最高のバークシャー株60億ドル分

ビジネス

トランプ大統領、「利下げしない候補者は任命しない」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 3
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急所」とは
  • 4
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 5
    富裕層が「流出する国」、中国を抜いた1位は...「金…
  • 6
    ロシア人にとっての「最大の敵国」、意外な1位は? …
  • 7
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 8
    伊藤博文を暗殺した安重根が主人公の『ハルビン』は…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 4
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 7
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 10
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中