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トランプ最強の指南役、義理の息子クシュナーの頭の中

The Utility Player

2020年8月1日(土)15時20分
ビル・パウエル(本誌シニアライター)

だがクシュナーであれ誰であれ、コロナ危機に対する政権の初期対応のまずさと、それが招いた第2波と経済活動の再停止という致命的なダメージを帳消しにはできないだろう。そして自滅行為になりかねないトランプのツイッター依存をコントロールすることはクシュナーにもできない。

トランプは去る7月3日、独立記念日前夜に愛国的な演説を行い、大統領周辺もこれを一様に高く評価していた。しかし、それも直後のツイートで台無しになった。トランプはNASCAR(全米ストックカー・レース協会)が南軍旗の持ち込みを禁じたことに文句を言い、自分の所属チームのガレージで(黒人リンチの象徴とされる)輪縄が見つかったとする黒人ドライバーの発言を「でっち上げ」と断じた。人種差別が大きな問題になっているなか、あまりにも無神経な行為だった。

引き受ける問題は大きいほうがいいと、クシュナーは言う。そう思えるのなら幸せだ。この11月にドナルド・トランプを勝たせることは、中東和平の実現ほどではないとしても、それに匹敵する大きなチャレンジだ。

<本誌2020年8月4日号掲載>

<関連記事:トランプ姪の暴露本は予想外の面白さ──裸の王様を担ぎ上げ、甘い汁を吸う人たちの罪

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